膠州湾の景色。(資料写真、青島=新華社配信)
【新華社青島7月19日】中国山東省青島市の膠州(こうしゅう)湾は、国内で最も早い時期に最も全面的、体系的な海洋生態調査が実施された海湾であり、温帯海湾の典型的な特徴を持つ。同湾の生態環境は長年にわたり改善が進み、中国の「グリーン(環境配慮型)管理」の知恵を反映している。
膠州湾は1990年代以前、膠東半島で数少ない漁業が盛んな海湾と知られ、美しい景観と恵まれた環境を誇ったが、青島の都市化が進み、人口が急増すると工業・農業排水が増加。観光業や交通・輸送業、近海開発なども湾の生態環境に大きな影響を与え、環境問題が日増しに深刻化した。
青島市政府は膠州湾の環境問題の解決に向け、一連の環境保護措置を講じてきた。2009年以降に膠州湾流域を重点とする2回の流域汚染修復活動を実施。13年の3回目の活動では、汚水処理施設と汚水遮断パイプラインの建設、河道の汚泥除去と整備、湿地修復など7分野100件の整備プロジェクトを策定した。海洋管理部門も総合管理を強化し、海洋開発の手順を徐々に規範化した。
中国科学院山東膠州湾海洋エコシステム国家野外科学観測所によると、膠州湾の水環境は2008年以降、改善が続き、富栄養化も抑制されている。
観測所の所長を務める中国科学院海洋研究所の孫暁霞(そん・ぎょうか)研究員は膠州湾の動物プランクトンの現存量について、21世紀以降は1990年代の3・5倍と顕著な増加傾向を示し、プランクトンの多様性も90年代から3割増加したと説明。同研究所の李新正(り・しんせい)研究員は、膠州湾でトロール網の使用禁止と休漁政策が実施された2000年以降は湾内外の大型底生生物の平均現存量と密度が上昇し、緩やかな増加傾向を示していると述べた。
専門家は、膠州湾の海湾エコシステムは2003年以降、健全性の改善が続いていると指摘。中でも21年はこの20年近くで最も良い状況だったと指摘した。(記者/王凱)pagebreak
膠州湾の景色。(資料写真、青島=新華社配信)pagebreak
膠州湾で職務にあたる法執行部門の職員。(資料写真、青島=新華社配信)