アフリカの医学留学生、母国で「中国の知恵」生かす

アフリカの医学留学生、母国で「中国の知恵」生かす

新華社 | 2023-07-14 09:42:28

   長沙市第四医院で、一般外科の主任医師と手術に臨むファブリス・カイタレさん(左から3人目)。(2022年10月25日撮影、長沙=新華社配信)

   【新華社長沙7月14日】中国で学ぶルワンダ留学生、ファブリス・カイタレさんとグラシア・ウィトンゼさんは、湖南省長沙市の長沙医学院国際教育学院で臨床医学を学んだ。2人は今秋、同市の中南大学研究生院(大学院)に入学する。

  長沙医学院は、留学生向けに中医学(中国伝統医学)や鍼灸(しんきゅう)、推拿(すいな、マッサージ)などの中医学類コースを設けている。卒業前のインターンシップでは、2人とも長沙市第四医院に配属され、1年間で13の診療科を回った。

  2人は中医学コースの授業と実習で新しい医学分野に触れた。カイタレさんは「中医学または中医学と西洋医学を融合した治療法が多くの患者の痛みを和らげたのを見て、中医学にとても興味を持った」と説明。大学院を修了後は母国に戻って中医学と鍼灸の診療所を開き、中国の治療法で母国の人々の痛みを取り除きたいと抱負を語った。

  ルワンダは夏の日照時間が長く、頭痛に悩まされる人が多いと指摘し「推拿の太陽穴(こめかみのつぼ)と百会穴(頭頂部のつぼ)は非常に効果的な治療法だ」とも述べた。

  ウィトンゼさんは「中医学と西洋医学は相反ではなく補完関係にある。良い医者になるには、中国と西洋の医学知識を同時に習得し、組み合わせた使用法を学び、患者により良い医療を提供すべきだ」と語った。

  中医学と中医薬(中国伝統医薬)はここ数年、中国の健康増進政策「健康中国行動」の指導の下、世界の医療により多くの「中国の方案(プラン)」を提供し、より大きな「中国の貢献」をしてきた。例えば湖南省は2020年、ジンバブエの首都ハラレでアフリカ南部最大となる中医学・鍼灸センターを設立。同国初の中医学類診療機関に認定された。同センターは22年に同国で初めて中医学・鍼灸人材研修講座を開き、最初の人材を育成した。

  中国の医療や医薬、文化がこぞってアフリカへ進出する一方、多くのアフリカ人留学生も中国で医学を学び、母国で医療に携わるなど「中国の知恵」を自国で役立てている。

  モーリシャスのビクトリア病院で神経外科医を務めるゴポール・ルードラジェットシンさんは2018年、友人と中部の都市エベネで「御康堂健康センター(AcuCare Pain & Rehab Center)」を設立。患者に中国の医療サービスを提供し、中医学理念の普及に努めている。

  広西医科大学(広西チワン族自治区南寧市)で9年間学んだルードラジェットシンさんは、中医学と西洋医学を組み合わせることで、より高い治療効果が得られると考えている。

  御康堂が設立されるまで、エベネの人々の中医学に対する理解は非常に乏しかった。ルードラジェットシンさんのチームは地元の人々に中医学を知ってもらうために知恵を絞った。多くの機関や企業を回って講座を開いたほか、ソーシャルメディアでも中医学を宣伝し、英語で中医学を紹介する冊子も配布した。実際の治療では効果の追跡調査やカルテの作成、定期的な往診にも力を入れた。

  アフリカではここ数年、中医学の認知度が高まるにつれ、抜罐(ばっかん、カッピング、吸玉)や推拿、鍼灸などが人気となっている。御康堂も設立から5年経ち、今や地元の有名中医学ブランドに成長した。ルードラジェットシンさんは「(御康堂は)われわれが中医学と中国文化を宣伝するプラットフォームであり、外国で学んだ私が実践すべき責任でもある」と語った。(記者/阮周囲、張格、劉佑民、帥才、姚羽、凌馨、陳紹華)pagebreak

   長沙市第四医院の小児科スタッフと記念撮影をするファブリス・カイタレさん(後列左端)とグラシア・ウィトンゼさん(同右から2人目)。(2023年2月14日撮影、長沙=新華社配信)

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