福島汚染水「飲用や水泳可能ならしっかり利用を」 中国外交部

福島汚染水「飲用や水泳可能ならしっかり利用を」 中国外交部

新華社 | 2023-07-12 09:09:09

   【新華社北京7月12日】中国外交部の汪文斌(おう・ぶんひん)報道官は11日の定例記者会見で、国際原子力機関(IAEA)の事務局長が韓国とニュージーランド訪問時に「福島の放射能処理水は飲用や水泳が可能で他国の原発排水と同じく危険がない」など物議を醸す発言を繰り返したことや、評価作業に参加した専門家を含む多くの原子力分野の専門家がこれに異なる見解を表明していることについてコメントを求められ、次のように述べた。

   最近の報道に少し留意すれば、IAEAの総合評価報告書には異議があり、評価に参加した専門家も異なる見解を発表していることが容易に分かる。これは争う余地のない事実であり、IAEAが放射能汚染水の海洋放出という複雑な問題で結論を急ぎ過ぎたことや、結論に限界性と一面性があり、福島放射能汚染水の海洋放出計画に対する国際社会の懸念を解決していないことを改めて示している。日本はIAEAの報告書を海洋放出の「通行証」にすることはできない。

   われわれは改めて指摘する。基準を満たせるか定かでない福島の汚染水を正常に稼働する原発の排水と単純に比較することは、科学の常識に反している。両者には本質的な違いがある。一つ目は由来が異なる。二つ目は含まれる放射性核種の種類が異なる。三つ目は処理の難度が異なる。福島の汚染水は、事故で破壊された原子炉の炉心に注入された冷却水と原子炉に浸入した地下水と雨水であり、溶融した炉心の各種放射性物質が含まれている。原子力発電所が正常に排出した水とは全く異なる。IAEAは日本の汚染水浄化設備の有効性と長期的信頼性を全く評価しておらず、今後30年ですべての汚染水処理が基準を満たす保証はない。長期的な海洋放出が海洋環境や食品安全に与える影響もIAEAが簡単に結論を出せるものではない。

   福島の汚染水の飲用や水泳が可能だと考えている人がいるなら、われわれは日本に対し、汚染水を海に流して国際社会に懸念を持たせるのではなく、しっかりと利用し、その人たちの飲用や水泳に提供するよう提案する。

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