【新華社北京7月8日】スイス・ベルン芸術大学文化・デザイン史のベアト・シュナイダー名誉教授がこのほど新華社に寄稿し、現代化は西洋化を意味するものではないとした上で詳しく説明した。文章の要旨は次の通り。
西洋の現代化は一般的に、欧州の文化的激変と関連付けられる。いわゆる現代性は、啓蒙運動や世俗化、科学技術やブルジョア革命の複雑な過程によって引き起こされた。従って、現代性とは社会の解放や進歩、現代化の縮図といえる。
進歩は普遍的な現代化プロセスと見なされているが、これは欧州を中心とする党派的で偏狭な見方と一致する。つまり、世界の歴史を「欧米人による西洋史」や「非欧州世界の占有の過程」と理解し「世界の他の地域に対する西洋化の一方通行」や「『優れた』キリスト教西洋文明と西洋資本主義文明の輸出」として捉えている。こうした考えは十字軍の東方遠征や布教活動、あるいは植民地化や奴隷制という形で現れた。いずれにせよ、その結果は非白人文明の従属というものだった。
19世紀には、世界が特権を享受する少数の豊かな北半球国家と、特権を持たず植民地化された多数の貧しい南半球国家に二分された。
今日でも、7カ国グループ(米国、カナダ、英国、ドイツ、フランス、イタリア、日本)という特権的な少数の資本主義国が、脅迫や暴力によって世界の他の地域の人々を支配しようとしている。西洋社会では、他のいわば特権階級(小ブルジョアや特権を持つ賃金労働者、一部の知識階級)の共犯に頼ることができる。ここまでが非欧州中心主義の観点から見た歴史的事実となる。
現代化、より正確にいえば科学技術革命と資本主義革命の成果は、特権的な少数の国家のみが享受してきた。それ以外の人々にとっては「見果てぬ夢」のままである。
21世紀の中国は、グローバルサウス(南半球を中心とする新興・途上国)に対して初めて、現代化が世界の人口の大部分に拡大する可能性が再び生まれ、各国自身も現代化プロセスに積極的に参加できることを示した。
中国の回復が、地政学的カードの再シャッフルを促している。その基盤はまず中国の成功した反植民地主義と社会主義革命にあり、数千年にわたる文明の歴史に裏打ちされた中国の規模や強さにあり、そして何より百戦錬磨の中国共産党にある。
中国は現代化の作者であり設計者であり、素晴らしい実績を示してきた。中国は、いかにして何億人もの絶対的貧困を克服し、生産力をかつてない規模で向上させ、一般の人々の生活条件を根本的に変えられるかを示してきた。中国の現代化、あるいはメードインチャイナの現代性は前例がない。中国は現代化建設を新たな方向に進めることに成功した。
今日の中国の現代化が約束しているのは、帝国主義的な排除や分裂、搾取ではない。代わりに、史上最大のインフラプロジェクトである「一帯一路」構想への参加を提唱している。中国は、異なる社会制度を受け入れ、多極的秩序の合理的な基礎を形成し、各国の人々の互恵ウィンウィンに基づく世界秩序の構築に尽力している。