長江源流エリアで新たな岩絵遺跡を発見 青海省

長江源流エリアで新たな岩絵遺跡を発見 青海省

新華社 | 2023-07-06 14:18:38

   6月26日、玉樹市で発見された岩絵。(玉樹=新華社配信)

   【新華社西寧7月6日】中国青海省玉樹チベット族自治州の玉樹市歴史文化研究院は、長江源流エリアの通天河流域で3カ所の岩絵遺跡を発見したと発表した。専門家は、長江源流文化の研究の重要な根拠になると見ている。

  通天河は長江源流の本流に当たる。同研究院の甲央尼瑪(ジャヤンニーマ)院長によると、同エリアではこれまで59カ所の岩絵が見つかっており、図像は約7千点に上る。最も古い絵は約3200年前にさかのぼる。

  新たな岩絵が見つかったのは同市安冲郷吉拉村で、同郷の村民からの情報を基に甲央尼瑪氏が調査を実施し図像36点を発見した。いずれも標高3800メートル以上の地点にあり、北方草原の遊牧民岩絵の特徴を備えていた。甲央尼瑪氏は「青蔵高原ではここ数年、岩絵の発見数が急激に増えている。題材のほとんどがヤクかシカであることから『青蔵高原の遊牧岩絵体系』と呼ぶ専門家もいる」と述べた。

  同市の岩絵研究に長年従事する甲央尼瑪氏は、発見された岩絵を前・中・後期に分類する。岩絵は通天河の上・中・下流に沿って分布しており、描かれた時期は3500~2000年前とみられる。

  甲央尼瑪氏は「今回の岩絵のほとんどは素朴な様式の動物の絵で、渦巻き模様で描かれたヤクの絵も見つかった。ヤクは高さ18センチ、幅21センチで、右を向いて立ち、前足と尻がいずれも渦巻き模様になっていた」と説明した。

  通天河流域の岩絵の内容は非常に豊かで、人物のほかにもヤクやシカ、オオカミ、トラ、ヒョウ、ヒツジ、イヌ、ウマ、ラクダなどの動物、二輪車や各種記号なども描かれている。

  玉樹チベット族自治州は2019年11月、石刻文化保護管理条例を施行。石刻文化の保護管理強化と伝統的石刻文化の継承、発展を目的とし、同州石刻文化の古代岩絵や摩崖(まがい)石刻、嘛呢(マニ)石刻、石板画などを保護管理の対象にしている。(記者/白瑪央措)

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