日本人専門家が見た「中国製造」 中国企業の国際化に日本の管理手法生かす

日本人専門家が見た「中国製造」 中国企業の国際化に日本の管理手法生かす

新華社 | 2023-06-28 09:38:57

   同僚とコミュニケーションを取る朝比奈充氏。(資料写真、南寧=新華社配信)

   【新華社南寧6月28日】中国広西チワン族自治区玉林市に本拠を置く広西玉柴機器は国内有数の内燃機関メーカーであり、最も早い時期に設立されたエンジンメーカーの一つにも数えられる。1951年に創業した同社は国内と欧州に研究開発拠点と研究開発センターを構えており、エンジンの累計販売台数は現時点で1千万台を超え、製品の販売先は世界180以上の国と地域に広がっている。

  東京出身の朝比奈充氏は2016年、同社が世界の一流企業から招いた外国人専門家として入社。人事部長として日本の先進的な経営管理の経験を持ち込み、人事分野の改革と国際競争力のある管理システムの構築を支援してきた。

  同社の呉其偉(ご・きい)総裁は社内での人材育成について、一貫して独自の育成システム確立を目指してきたが、リーンマネジメント(徹底して無駄を省いた最適化により、製品とサービスで最大限の顧客満足を実現する管理方式)を推進する過程で、先進的な理念やツール、手法などの不足という問題がとりわけ顕著であり、それらを支援する完全な育成システムが早急に必要だと気付いたと振り返った。

  これは朝比奈氏の考えと一致し、同社の人材のキャリアアップを担う玉柴職業大学の誕生につながった。朝比奈氏は自ら望んで同大の人材育成システム構築に携わり、ホンダなど日本の世界的大企業を参考に体系的な人材育成システムを構築した。幹部育成に関しては、経営教室や管理教室、昇進試験などの幹部管理能力向上プログラムを導入し、深化させ、将来の国際化に向け十分な人材供給の仕組みを作った。

  国際的な管理・技術人材の導入により、同社は世界の先進的な経営管理の理念を継続的に吸収、参照し、国際化プロセスを加速させ続けた。

  現在はエンジン生産台数が年間60万台に達し、ディーゼルやガス、ハイブリッド、純電気駆動などで2千種類以上の製品ラインアップを持つ。製品は国内の主要なトラック、バス、建設機械、農業機械、舶用機械、発電設備などに搭載する動力源として支持され、22年連続で中国企業上位500社入りしている。

  朝比奈氏によると、新エネルギー分野における中国の急激な台頭や地域的な包括的経済連携(RCEP)協定発効などの好材料により、同社もさらなる発展のチャンスを迎えている。現在は東南アジア諸国連合(ASEAN)諸国で生産拠点プロジェクト建設を推進中で、国境を越えた完全な産業チェーンの構築を積極的に進めているという。(記者/黄浩銘、趙歓、郭軼凡、聶新宇)pagebreak

   同僚とコミュニケーションを取る朝比奈充氏。(資料写真、南寧=新華社配信)

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