液体金属でハイエントロピー合金の合成に成功 武漢大学の研究チーム

液体金属でハイエントロピー合金の合成に成功 武漢大学の研究チーム

新華社 | 2023-06-21 08:30:49

   武漢大学の付磊教授が率いる研究チームのメンバー。(資料写真)

   【新華社武漢6月21日】中国武漢大学はこのほど、同大学の付磊(ふ・らい)教授が率いる研究チームが特殊な液体金属を使い、温和な条件下でさまざまなハイエントロピー合金(HEAs)系の原子レベルでの合成に成功したと明らかにした。研究の成果はこのほど、国際的学術誌「ネイチャー」電子版に発表された。

  HEAsは5種類または5種類以上のメインとなる金属元素からなる新型合金で、極限条件下の構造力学、エネルギーの変換と貯蔵、医療器械などの分野で、重要な応用の可能性を有する。HEAsの原子レベルの精密合成を実現することは、その応用の基礎となる。

   付教授によると「5、6人の人間が集まって一つの共同体を形成するのが容易でないように」、さまざまな金属で構成される合金の中では、互いに相いれないという現象がよく生じるという。このため、異なる金属の混合の安定性を確保するため、従来のHEAsの合成では高温の環境が必要となることが多く、かつ元素の選択も大幅に制限されていた。

  付教授の研究チームは別の方法を開発し、液体金属(ガリウムなど)を通じて温和な条件でHEAsにおける多構成元素の混和性を実現した。付教授によると「液体金属は大多数の金属との親和性がよく、かつ流動性が良好で、物質移動を加速し、元素の均一な分散と合金化反応の進行を促進することができる」という。

  さらに付教授は、液体金属による新たな反応システムはHEAsの成分選択の余地を大きく広げ、さまざまな主要分野での応用促進が期待できるとの見方を示した。(記者/李偉、熊翔鶴)pagebreak

   科学研究作業を行う付磊教授の研究チームメンバー。(資料写真)

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