12日、タクラマカン砂漠機械防砂モデル区で、砂防設備の取り付け方法を学ぶアフリカの研修生。(ウルムチ=新華社記者/張暁竜)
【新華社コルラ6月18日】中国新疆ウイグル自治区南部の庫爾勒(コルラ)市でこのほど、第3回タクラマカン砂漠フォーラムが開かれ、中国やアフリカなどの研究者数百人がサハラ砂漠とタクラマカン砂漠周辺の土地の劣化や荒漠化(砂漠化に土壌侵食や塩類集積などを加えた概念)を効果的に防ぐ方法について話し合った。
サハラ砂漠は世界最大の砂漠で、南縁に広がるサヘル地域では土地の劣化や荒漠化が深刻化している。この地域にある数カ国がアフリカ連合の主導の下、2007年に植林による緑の壁を築く「緑の万里の長城」計画を共同で開始し、国境を越えた協力で荒漠化防止に取り組んでいる。中国科学院新疆生態・地理研究所は、長年にわたってこの計画に協力してきた。
12日、タクラマカン砂漠機械防砂モデル区で、アフリカの研修生に砂防設備の取り付け方法を示す中国の専門家。(ウルムチ=新華社記者/周生斌)
「緑の万里の長城」事務局で地理情報システム・データベースの責任者を務めるディオプ・スレイマン氏が新華社の取材に応じ「中国は荒漠化防止に多大な努力を払っており、アフリカはここからヒントを得ることができる。双方が協力して持続可能な発展や気候変動などの課題に取り組めればと思う」と語った。
フォーラムに合わせて行われたアフリカ「緑の万里の長城」建設技術研修クラスの参加者数十人が会議終了後、実地研修のためタクラマカン砂漠に入った。
12日、タクラマカン砂漠機械防砂モデル区で、砂防の新技術を見学するアフリカと中央アジアからの研修生。(ウルムチ=新華社記者/周生斌)
同砂漠はタリム盆地の中央に広がる中国最大の砂漠で、流動性砂漠としては世界で2番目に大きい。中国の研究者はこの地で60年以上にわたって砂防・治砂技術を研究し、20年前からタリム砂漠道路生態保護林プロジェクトを実施、タリム盆地の南縁に広がるオアシスに防砂壁を建設するなどの技術的課題を解決してきた。同砂漠を横断する3本の高速道路が完成し、総延長は1200キロを上回る。
中国科学院新疆生態・地理研究所策勒(チラ)砂漠ステーションでは、エチオピアから参加したジナブ・ボラ氏が興味深そうに見学しながら、中国側参加者と交流した。ボラ氏は、中国には優れた技術や方法が数多くあるとして、双方が一段と協力を強化すれば、より実りある成果を得られると話した。
エチオピアは砂漠と砂漠化の恐れがある地域が国土の4分の1を占める。首都アディスアベバの住民テドロス・アボヤさんは新華社の取材に対し「荒漠化の影響で不作になるなど食料安全保障問題が深刻化し、洪水などの自然災害が頻発する中、中国とのグリーン(環境配慮型)発展分野での協力は大いに賛成だ。今後も両国の協力が続き、エチオピア全土に幸福をもたらすことを願っている」と語った。
13日、中国科学院新疆生態・地理研究所策勒(チラ)砂漠ステーションでアフリカの研修生に砂漠植物を紹介する中国の技術者。(ウルムチ=新華社記者/周生斌)
13日、タクラマカン砂漠後背地にある塔中植物園でアフリカの研修生に砂漠植物を紹介する中国の技術者。(ウルムチ=新華社記者/周生斌)