海南省海口市で開催された第3回中国国際消費品博覧会のマレーシア企業ブースに展示されたツバメの巣。(4月11日撮影、海口=新華社記者/蒲暁旭)
【新華社クアラルンプール6月16日】マレーシアのトゥンク・アブドゥル・ラーマン大学の黄錦栄(WONG CHIN-YOONG)経済学教授はこのほど、新華社の単独インタビューに応じ、地域的な包括的経済連携(RCEP)協定は域内貿易のコストを引き下げ、東南アジア諸国連合(ASEAN)の越境貿易を促進し、ASEAN経済のリスク耐性を高めるとの見方を示した。
RCEPはすでに、ASEAN10カ国とオーストラリア、中国、日本、韓国、ニュージーランドの署名15カ国で全面的に発効。貿易や投資の自由化と円滑化に関するさまざまな措置を網羅し、とりわけ域内のモノ貿易の90%以上でゼロ関税を段階的に実現するとの内容が柱となっている。
マレーシアでは2022年3月18日に発効した。同国の投資貿易産業省は当時、RCEPで同国が受ける輸出のメリットはASEANで最も大きいとの見通しを示した。同省のデータによると、その他のASEAN諸国、中国、日本、韓国、オーストラリア、ニュージーランドとの貿易額は22年、いずれも急増を実現した。
黄氏によると、ゼロ関税は一部の国の貿易取引に高い利便性をもたらす。例えば中国と日本は二国間の自由貿易協定を締結していないが、RCEPにより、これまで相対的に高い水準にあった関税をゼロに引き下げることができる。これは中日間の貿易に大きな影響を及ぼすことになる。
ASEANへの影響については、RCEPの統一ルールは域内の越境貿易拡大を促し、ASEANの産業の強靱(きょうじん)さを高めると指摘。特に外部の経済環境が不安定な中、RCEPはASEANの外部リスクへの抵抗力を増強していると評価した。