湖北省潜江市のレストランでザリガニ料理を楽しむ来店客。(2022年6月24日撮影、潜江=新華社配信/伍志尊)
【新華社北京6月13日】中国各地では6月になると、ザリガニの出荷が最盛期を迎える。この時期のザリガニは大ぶりで、柔らかく弾力のある食感を多彩な料理で楽しむことができる。
中国水産流通・加工協会によると、国内には4万店以上のザリガニ専門店があり、関連飲食業は2022年に前年比3%増の約3122億元(1元=約20円)を売り上げた。生活関連サービス大手の美団は同年、生鮮食品や日用品の即時配送「美団閃購」でザリガニ取引額が1億元に達した。ザリガニの消費層は1990年代生まれが6割を占める一方、60~70年代生まれも高い購買意欲を持つ。
ザリガニの調理法は多種多様で「炒める、煮る、揚げる」のほか、産地の料理と地元の食習慣が融合し、全国で多くのブランドが誕生。湖北省潜江市、江蘇省淮安市盱眙(くい)県、湖南省益陽市南県など主産地ごとに異なる風味と口当たりが人気を高めている。
消費市場の熱は養殖の後押しにもなっている。大まかな統計によると、中国の2022年のザリガニ養殖総面積は約2800万ムー(約187万ヘクタール)、総生産量は約300万トン、年間生産額は約960億元だった。養殖は水田や池で行うことが多く、水田では水稲栽培と一体化した方式が最も広く普及している。研究の結果、ザリガニが除草の役割を果たし、ふんは肥料になるため、農薬の使用削減にもつながることが分かった。
ザリガニは中国の食卓だけでなく、世界各地に進出しつつある。湖南省南県の順祥食品は仕分け、洗浄、加熱調理、味付けなどを経たザリガニ加工品を欧米や東南アジアの40以上の国・地域に輸出しており、年間輸出額2千万ドル(1ドル=約140円)を見込む。消費者の好みや習慣に合わせ、バニラ味、麻辣十三香味、おろしニンニク味など200種類以上の風味をそろえる。pagebreak
江蘇省淮安市金湖県の広場でザリガニを味わう観光客。(5月2日撮影、淮安=新華社配信)pagebreak
中国・盱眙国際ザリガニフェスティバルのコンテストで披露された料理。(2022年6月12日撮影、淮安=新華社記者/季春鵬)pagebreak
中国・盱眙国際ザリガニフェスティバルのコンテストで披露された料理。(2022年6月12日撮影、淮安=新華社記者/季春鵬)pagebreak
湖北・監利ザリガニフェスティバルの会場。(2021年5月20日撮影、武漢=新華社記者/熊琦)pagebreak
ニューヨークの国連本部で開かれたイベント「潜江ザリガニ 世界で共有」でザリガニを味わう来場者。(2019年6月4日撮影、国連=新華社記者/李木子)pagebreak
ザリガニの盛り合わせ。(資料写真、攀枝花=新華社配信)pagebreak
江西省上饒市余干県の方家洲村にある水田で、出荷用のザリガニを捕獲する村民。(資料写真、上饒=新華社配信)pagebreak
黒竜江省牡丹江市の上官地村にあるザリガニ養殖と稲作を一体化した生産拠点。(資料写真、牡丹江=新華社配信)