湖南省懐化市で行われた第1回湖南(懐化)RCEP経済貿易博覧会に設置されたベトナムブース。(5月5日撮影、懐化=新華社記者/余春生)
【新華社北京6月5日】シンガポールのユナイテッド・オーバーシーズ銀行(UOB)の中国法人、大華銀行(中国)はこのほど発表した「企業の展望調査報告書(中国篇)」で、中国と東南アジア諸国連合(ASEAN)の企業は相互の市場への進出に高い意欲を持っていることを明らかにした。インドネシア、マレーシア、シンガポール、タイ、ベトナム、中国本土、中国香港で4千社余りの企業を対象に調査した。
調査を受けた中国企業の9割超は、収益力や売り上げのアップ、国際的な評判の向上などを原動力に、海外開拓に強いニーズを持っている。中国で経済が回復する中、中国企業は事業のデジタル化、サプライチェーンの多角化、新規顧客開拓、従業員のスキルアップ、コストダウンなどの措置で事業の拡大に全力を尽くしている。
地域的な包括的経済連携(RCEP)協定は、越境ビジネス・貿易に新たな活力を注ぎ込み、中国とASEANとのウィンウィンの協力を深めている。ASEANは今年1~4月も中国最大の貿易相手で、貿易額は前年同期比13・9%増え、中国の貿易額全体の15・7%を占めた。
ASEAN市場を引き続き中国企業の注目を集めている。中国企業の4割超が、向こう3年で東南アジアに拡張する予定があるとした。投資先の上位3カ国はシンガポール、タイ、マレーシアだった。ASEAN企業も中国市場への布石に取り組んでいる。中国本土での事業展開を望むASEAN企業は40%で、業界別では卸売企業が46%、製造・建設企業が45%に上った。国別で中国本土への投資意欲が高いのはタイ(52%)とシンガポール(46%)だった。