中国のレベルの高い開放、より多くの国に恩恵　ロシア商業銀ＣＥＯ

   【新華社モスクワ６月３日】ロシア最大の商業銀行ズベルバンクのゲルマン・グレフ最高経営責任者（ＣＥＯ）はこのほど、新華社の書面インタビューに応じ、中国のレベルの高い開放の継続的推進で、より多くの国が中国との経済・貿易協力から利益を得ていると指摘した。

   同氏は、一部の国で貿易保護主義が台頭し、「デカップリング（切り離し）とサプライチェーン（供給網）切断」が世界経済の回復を阻む背景の下で、中国のレベルの高い開放は世界の発展にとって重要な意義があるとし、「中国との幅広い協力を発展させることは、世界のあらゆる国にとって極めて重要だ」と述べた。

   また、中国は世界の経済大国の一つであるだけでなく、経済成長の余地も比較的大きいとし、「中国は市場規模が大きく、見通しが明るく、中国の需要の増加は各国の経済発展にとって極めて重要だ」と評価した。

   中国国家統計局のデータによると、今年第１四半期（１～３月）の国内総生産（ＧＤＰ）は前年同期比４・５％増、昨年第４四半期（１０～１２月）比２・２％増となり、いずれも市場予想を上回った。

   同氏は、中国経済の安定成長は世界経済の安定にとって重要な意義を持っており、特に世界経済が厳しい試練に直面する中で、中国のバランスの取れたマクロ経済政策は世界経済の重要な安定装置になるとの見方を示した。

   また、中国のＧＤＰに比較的大きな割合を占める投資が、中国経済の安定成長のために強固な基礎を築いたと指摘。中国はグリーン（環境配慮型）エネルギー、人工知能（ＡＩ）などの見通しが明るい分野に積極的に投資していると述べた。

   人民元は現在、世界５位の決済通貨、世界５位の準備通貨であり、国際通貨基金（ＩＭＦ）の特別引き出し権（ＳＤＲ）の通貨バスケットに占める割合は世界３位となっている。これについてグレフ氏は、ますます多くの国が自国通貨決済を進めており、人民元決済額は顕著に増加し、国際貿易における決済額は持続的に増加していくとの見方を示した。

   さらに「中国の巨大な経済規模と充実した商品カテゴリーは、より多くの国を中国との貿易に引き付ける。人民元も今後ますます重要な役割を果たすだろう」とも指摘した。