中国初の人民元建てで決済された輸入LNGの荷下ろし現場。(資料写真、深圳=新華社配信)
【新華社深圳6月1日】中国の国有石油大手、中国海洋石油集団(CNOOC)はこのほど、アラブの主要産油国で構成する湾岸協力会議(GCC)に加盟するアラブ首長国連邦(UAE)からの液化天然ガス(LNG)を積んだタンカーが同社の広東大鵬LNG受け入れステーションに到着し、26・5時間にわたる荷下ろし作業を終えたと明らかにした。今回輸送されたのは、中国で初めて人民元建てで決済された輸入LNGで、石油・天然ガス貿易分野のクロスボーダー人民元決済は実質的な一歩を踏み出した。
中国税関総署によると、2022年の原油輸入量は5億トン超、天然ガス輸入量は1億トン超で、うちLNGが6344万トンだった。人民元に対する国際市場の受容度が高まる中、石油・天然ガス貿易の双方が人民元建て決済を実証する条件は熟しつつある。
LNG貿易の人民元決済は、国際・国内両市場の接続と資源の高効率循環の促進に寄与する。CNOOC傘下の中海石油気電集団の王欣(おう・きん)資源・市場部副総経理によると、人民元建て決済による海外からのLNG調達は、CNOOCがエネルギー貿易のグローバル展開を促し、LNG貿易エコシステムの多角化を実現する上で有益な試みとなる。
このクロスボーダー人民元建て決済による貿易は、CNOOCとフランス・エネルギー大手のトタルエナジーズが今年3月、上海石油・天然ガス取引センターで合意に達したもの。6万5千トンのLNGを積んだタンカーは26日間の航行を経て、5月15日に受け入れステーションに到着した。LNGは気化された後、パイプラインを通じて発電所や都市ガスなどの需要家に供給される。