【新華社北京5月29日】中国国家統計局が27日発表した全国の一定規模(主要業務の年間売上高2千万元、1元=約20円)以上の工業企業の4月の利益額は、前年に比べ18・2%減少した。減益幅は3月より1・0ポイント縮小し、2カ月連続で改善した。売上高の伸びは工業企業の生産回復を受けて拡大した。
41業種の56・1%を占める23業種で、増益または減益幅の縮小、減益から増益への転換が見られた。
一定規模以上の工業企業の売上高は3・7%増加し、伸び率も3月より3・1ポイント拡大した。4月の好調を受け、1~4月の売上高も前年同期比0・5%増と1~3月の0・5%減からプラス転換した。
業種別では設備製造業の利益改善が顕著だった。新たな原動力となる産業の成長や前年実績の低さを受け、利益額は29・8%増と前月までの減少傾向から大きく増加に転じた。工業企業の利益総額を6・4ポイント押し上げ、寄与度が最も大きいセクターとなった。
電力・熱力・ガス・水の生産・供給業の利益は36・5%増え、3月より8・9ポイント拡大した。中でも電力業界は、経済回復が進む中で電力需要が増加。生産拡大により45・3%増となった。
外資系企業と香港・マカオ・台湾系企業は自動車産業などにけん引される形で利益が2カ月連続で改善。16・3%増と3月の減少から増加に転じた。私営企業は減益幅が3月より7・3ポイント縮小した。
一方で、製品価格が急落した一部業種では利益が大幅に減少し、化学工業は63・1%減、石炭採掘・選炭業は35・7%減と工業企業の利益伸び率を14・3ポイント押し下げた。
1~4月の工業企業の利益総額は前年同期比20・6%減の2兆328億8千万元だった。
同局工業統計司の孫暁(そん・ぎょう)統計士は「全体的には利益回復が進んでいるが、国際環境は厳しく複雑で、需要不足の制限も顕著に見られることから、工業企業の利益回復は引き続き多くの困難にさらされている。今後は需要の回復と拡大に力を入れ、生産と販売の連携をさらに強化し、事業者の自信を持続的に高めていく必要がある。政策効果と事業者の活気喚起を結び付け、工業経済の持続的な回復と改善を進めていかなければならない」と語った。