【新華社上海5月16日】ドイツの自動車部品大手ボッシュグループのシュテファン・ハルトゥング会長はこのほど、新華社の単独インタビューに応じ、「中国はエキサイティングな巨大市場で、世界の他の市場と深く融合し協働している」と見解を示した。
「市場の開放を断固支持していく」。中国で生産される自動車の約10%は海外に輸出されており、中国は同時に大量の部品を輸入している。各国の市場が協力してウィンウィンを実現した好例であると同氏は語る。
第20回上海国際自動車工業展覧会(上海国際モーターショー、4月18~27日)は「自動車業界の新時代を抱く」がテーマ。中国メーカーも海外メーカーもそれぞれの最新の電気自動車(EV)コンセプトカーや量産モデルを一番目立つ場所に置いてアピールした。スマート化やコネクテッド化がこれからのEVの主流になると同氏は見る。
ボッシュも数々のスマート化・電動化ソリューションを出展した。「ボッシュは進んだセンサー設備があり、演算プラットフォームやその他の技術と組み合わせれば、車内のドライバーや乗客とのヒューマン・コンピューター・インタラクション(HCI)が可能になる」とした。
ボッシュの最新の技術成果を代表する展示品のうち、かなりは中国チームが研究開発、生産、引き渡した。「中国の従業員5万8千人以上のうち研究開発者は9千人を超える。中国市場にサービスを提供するだけでなく、中国以外の市場とも技術と経験を共有している」という。
スマート化やコネクテッド化に支えられ、自動車業界のモデルチェンジは加速している。業界の変革は各社にとってのチャレンジなのに、それ以上にチャンスとなっていると同氏は語る。
自動車のゼロカーボンの実現には多元的なパワートレインが必要になる。自動車製造は二酸化炭素(CO2)排出量のピークアウトと実質ゼロによる転換の圧力にもさらされている。これらの新しい需要は新しいチャンスを意味しており、「ボッシュは技術上の開放を続けていく必要がある」とした。
中国でのボッシュの将来性については「非常に楽観している。中国では中間所得層が拡大を続けており、この層はより新しい製品を買う傾向が高い。中国の消費者はこれまでもずっと前衛的で、革新の精神を備えている」と見方を示した。
ボッシュは中国投資のさらなる拡大を計画している。とりわけ重視しているのが中国の研究開発チームづくりである。「ここには優れた人材がいる。若く聡明で革新精神を備えた彼らはボッシュを代表している」と同氏は述べた。