【新華社北京5月15日】中国商務部の束珏婷(そく・かくてい)報道官は11日の定例記者会見で、中国は「中国・中央アジアサミット」の開催を機に、中央アジア諸国との経済・貿易協力を新たな段階に進めていきたいと述べた。
中国・中央アジアサミットは18、19両日に陝西省西安市で開催される。束氏は会見で、中国と中央アジア5カ国は国交樹立から30年余り、実務的な経済・貿易協力を持続的に深め、内容豊かで活力に満ちた互恵・ウィンウィンの経済・貿易関係を構築し、実り多い協力成果を収めてきたと話した。
制度面の整備も進んでいる。中国と中央アジア5カ国の元首は昨年、中国・中央アジア運命共同体の構築を宣言。中国・中央アジア協力メカニズムの枠組み内で、6カ国の経済・貿易部門トップが今年4月18日に「中国・中央アジア5カ国」経済・貿易相会合を開き、貿易・投資、デジタル経済、グリーン(環境配慮型)発展、相互接続、多国間・地域間の協力について意見交換した。
中国は中央アジアの全ての国と「一帯一路」共同建設協力文書への調印、中長期経済・貿易協力計画の策定、投資保護協定の締結をしており、経済・貿易協力を巡るメカニズムは着実に整備が進んでいる。
貿易は規模が拡大し、質も向上。中国と中央アジア5カ国は昨年、貿易額の年間目標700億ドル(1ドル=約136円)を前倒しで達成したほか、今年1~3月も前年同期比22・0%増と好調を維持した。貿易構造の最適化も進んでいる。中国が昨年、中央アジア諸国から輸入した農産品、エネルギー鉱産物の前年比伸び率はいずれも50%を超えた。中国から中央アジア諸国への輸出では、機械電気製品が42%増。越境電子商取引(EC)貿易額は95%増えた。中国のECプラットフォームに中央アジアの企業300社近くが出店し、中央アジア各国の良質で特色ある製品が中国市場に続々と参入している。
投資協力は各国に利益をもたらしており、今年3月末時点で、中国の中央アジア5カ国向け直接投資残高は150億ドルを超え、中国企業が中央アジア諸国で請け負った工事の完成工事高は639億ドルに上った。
束氏は「われわれはインフラや原油・ガス採掘、加工・製造、医療・衛生、教育・科学技術、デジタル経済などで協力を持続的に推進している。多くの大型プロジェクトが成功を収め、中央アジア諸国の産業高度化や相互接続、民生改善を支えている」と説明した。