長江上流の支流、沱江の目覚ましい水質改善 四川省

長江上流の支流、沱江の目覚ましい水質改善 四川省

新華社 | 2023-05-11 13:46:50

   4月17日、四川省内江市を流れる沱江。(成都=新華社記者/康錦謙)

   【新華社成都5月11日】「千の川の省」と呼ばれる中国四川省の国家地表水調査断面は昨年、水質が優良(1~3類)とされる断面の割合が99・5%と過去20年で最高レベルになった。汚染に悩まされたかつての沱江(だこう)流域の水質は、根本的に改善された。

  沱江は長江上流の重要な支流で、2万5500平方キロの流域面積には、四川省で最も都市が集中し、人口密度が高く、経済力のある地域が含まれている。1990年代以降、工業化と都市化の進展が加速するにつれて、汚染は年々深刻化し、一時は四川省、さらには長江上流で最も汚染がひどい河川となった。同省は近年、沱江流域の水質汚染の予防と対策に乗り出した。

  沱江は四川省綿竹市の標高4984メートルの九頂山に源を発する。同山の麓にある清平鎮は、かつてリン鉱石の採掘地として全国的に知られ、採掘場由来の水質汚染が汚染対策の壁となっていた。

  その清平鎮は今や、有名な観光の町に一変した。孟鋭(もう・えい)鎮長によると、「鉱工(鉱山労働者)創業街」には往年の鉱山労働者が開業した「鉱山労働者をテーマにした民宿」が40軒以上あり、キャンプ場なども建設しており、鎮の人口の3分の1以上が第3次産業に従事しているという。

  小陽化河の「技術河長(河川の管理責任者)」を務める黄偉(こう・い)さんは「資陽市楽至県中天鎮にある小陽化河は、沱江水系の陽化河本流の重要な支流であり、川岸に咲く花の下を通る生態保全水路は、農地による小陽化河の汚染を効果的に減らす役目を果たしている」と語った。

  同県はここ数年、9本の生態保全水路を建設し、生態池や生態湿地、養魚池下流の水管理などを通じて、農業および生産や生活に起因する非点源汚染を処理し、それらの汚染が河川に流入するリスクを効果的に減らすことで、沱江の水辺の自然環境を保護している。

  最新の統計によると、沱江流域にある国家地表水調査断面の水質優良率は2017年の6・2%から22年には93・7%に跳ね上がり、水質が下から1番目と2番目の「劣5類」(重度汚染)および「5類」(景観用)の水域は完全に解消された。712キロの沱江は、生態修復から長期保護段階に移行し、流域住民の緑豊かなふるさとになりつつある。(記者/康錦謙)pagebreak

   4月14日、四川省綿竹市清平鎮にある「鉱山労働者をテーマにした民宿」。(綿竹=新華社記者/康錦謙)pagebreak

   4月14日、四川省綿竹市清平鎮を走る観光用トロッコ。(綿竹=新華社記者/康錦謙)pagebreak

   4月16日、四川省資陽市楽至県にある小陽化河のほとりの生態保全水路。(資陽=新華社記者/康錦謙)pagebreak

   4月19日、四川省瀘州(ろしゅう)市江陽区の沱江沿いに建設されたサイクリングロード。(瀘州=新華社記者/康錦謙)

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