4日、空から見た江蘇省昆山市にあるコネ・コーポレーションの生産拠点。(小型無人機から、昆山=新華社記者/呉宇)
【新華社上海5月8日】フィンランドの昇降機大手コネ・コーポレーションはこのほど、中国上海市に隣接する江蘇省昆山市の生産拠点で、中国での生産開始から150万台目となる昇降機本体の出荷式を行い、同時にデジタルソフトウエアセンターの設立を発表した。
式典のため中国を訪れた同社プレジデント兼最高経営責任者(CEO)のヘンリク・エーンルート(Henrik Ehrnrooth)氏は、中国が昇降機の製造や研究開発における「世界最高の場所」であることは事実が証明していると述べた。
この3年余り、新型コロナウイルス感染症の流行により、世界のサプライチェーン、産業チェーンは厳しい試練にさらされてきたが、同社は中国での生産・経営の安定を維持し、昇降機本体の製造台数を50万台増やした。
エーンルート氏は「半年前に中国を訪れた時と比較すると、最近の中国経済は顕著に回復している。昇降機業界は新設需要が鈍化しているものの、更新・改修・メンテナンスの市場は大幅に伸びており、当社は中国での今後の成長に自信を持っている」と述べた。
データによると、同社の世界における昇降機納入台数は1営業日当たり750台で、その60%以上を昆山市で製造している。同市の生産拠点で製造された150万台目の昇降機はエスカレーターで、昆山市と上海市を結ぶ上海軌道交通11号線で使用される。
同社執行副総裁兼大中華圏(グレーター・チャイナ)総裁の包嘉峰(ほう・かほう)氏によると、同社は今後、昇降機のスマート化、グリーン(環境配慮)化レベルの向上を通じて、中国の新しい都市化建設と都市再開発によりよく関わっていく方針で、これは同社が中国にデジタルソフトウエアセンターを新設する目的でもあるという。
現在、同社の中国における売上高の75%は新設業務で、メンテナンスが20%、更新・改修が5%となっている。メンテナンス、更新・改修事業の急成長に対応するため、同社は中国国内にメンテナンス拠点を約千カ所設け、メンテナンス要員を約2万人配置している。
同社は1996年、昆山市で通力電梯を設立・登記し、生産拡大のため繰り返し増資を行い、累計投資額は13億8千万元(1元=約19円)に達している。また、過去27年間に中国で昇降機本体を累計150万台製造し、中国国内の需要を満たすだけでなく、世界90カ国・地域にも製品を輸出している。(記者/呉宇)pagebreak
4日、コネ・コーポレーションが中国で製造した150万台目の昇降機を積んだトラック。(昆山=新華社記者/呉宇)