「Maldybulakia saierensis」の尾のとげ(上)と体節から生えている長いとげ(下)。(資料写真、南京=新華社配信)
【新華社南京5月5日】中国科学院南京地質古生物研究所はこのほど、中国と英国の古生物学者が中国新疆ウイグル自治区で、全身にとげが生えた淡水産節足動物「Maldybulakia saierensis」を発見したと明らかにした。約4億2千万年前に生息していた古代生物で、中国で発見された最も古い淡水産節足動物になる。
この節足動物は、形態的にかなり特異な姿をしている。体は多くの体節に分かれ、それらの体節の多くは、両側から左右対称のとげが突き出ている。尾に当たる部分は細長いとげを引きずっており、まるで全身をとげに覆われた奇妙な虫のように見える。
この研究を主導した同研究所の徐洪河(じょ・こうが)研究員は「節足動物門は、今日の動物界で最大の動物門のひとつであり、海水域や淡水域に生息するエビやカニから、陸上の蚊やハエ、クモまでこの門に分類される。淡水産節足動物の出現は、海産動物が『上陸』する鍵となる移行過程の一部で、この重要な化石の発見は、動物が海から陸へ移動する経過を理解するための重要なよりどころとなる」と述べた。
関連の研究成果はこのほど、古生物分野の専門学術誌「Papers in Palaeontology」に掲載された。(記者/王珏玢)pagebreak
「Maldybulakia saierensis」の化石の一部。(資料写真、南京=新華社配信)pagebreak
「Maldybulakia saierensis」の形態イメージ図。(資料写真、南京=新華社配信)