【新華社南京4月21日】中国科学院南京地質古生物研究所は、同研究所の早期生命研究チームを中心とする国内外の古生物学者が山東、安徽両省で、約8億年前の古代生物ホロディスキアの化石を発見したと発表した。同生物は岩層に挟まれた一連ずつ真珠のネックレスのような形状をしている。研究成果は英科学誌コミュニケーションズバイオロジーに掲載された。
研究を主導した同研究所の龐科(ほう・か)研究員によると、今回発見したホロディスキアには形状の異なる2種類があり、大型のものは直径5ミリ、小型のものは1ミリ未満で、形状と構造は似通っていた。
立体的に保存された標本の一部からは、真珠のような丸い個体が有機物の外壁を包む球体であることが分かった。数個から数十個の丸い個体がほぼ等間隔に並び、数珠状のビーズを形成していた。
研究者らは、ホロディスキアが堆積物の表面を這って生活する底生生物で、藻類の可能性が高いと見ている。
龐氏は「他地域でこれまでに発見されたホロディスキアは、最も古いもので14億8千万年前にさかのぼる。今回の化石標本は時期的に最古とは言えないが、形状や構造が完全な状態で残っており、非常に貴重だ」と述べた。
今回の研究はホロディスキアの成長の謎を初めて解明した。研究チームは、数珠状の「ビーズ」の一つ一つが複数の細胞核を持つ大型細胞であり、大型細胞が複数集まり数珠状となり、全体が成長していたとの認識を示した。
龐氏は「ホロディスキアの特殊な形状と成長方式は、科学界が早期生物の成長と進化を理解する上で重要な参考資料になる」と語った。