衛星画像を通じて中華文明の輝きを伝える遺跡を旅する

  「北京３号」衛星が撮影した古北口長城。（北京＝新華社配信）

  【新華社北京４月１９日】４月１８日は「国際記念物・遺跡デー」に当たる。記念物や遺跡は歴史の証人であり、文化伝承の担い手でもある。中国は四大古代文明国の一つであり、中華文明は長い歴史と輝かしい文化を持つ。衛星画像による「クラウドツアー」で別の角度から中華文明に触れてみよう。

  万里の長城は２千年の歳月を超え、約４万里（２万キロ）にわたって伸びる。衛星で上空から俯瞰（ふかん）すると、中国北部の広大な大地に横たわる巨大な竜のように見える。

　中国甘粛省敦煌市にある莫高窟（ばっこうくつ）は、古代シルクロードの多元的な文化の融合と文明の相互参照の結晶といえる。莫高窟には今なお、前涼から元代までの７３５の洞窟と４万５千平方メートルの壁画、２４００体余りの彩色塑像が保存されており、世界で最も継続時間が長く、最も保存状態が良く、最も規模が大きい仏教芸術の宝庫となっている。

　浙江省杭州市にある良渚（りょうしょ）古城遺跡の敷地面積は６３０ヘクタールを超える。外周水利システムは中国最古の大型水利遺構で、出土した多くの精巧な玉器は、中国の玉文化の先史時代における最盛期を伝える遺産とされる。地下に埋蔵された大量の炭化米は、稲作が盛んだった証であり、手工業の遺構とともに、複雑な分業化が進んだ社会を反映している。良渚遺跡の発見は、５千年以上に及ぶ中華文明史を裏付ける証拠となった。

　殷墟（いんきょ）遺跡は河南省安陽市小屯村にある。その発見と特定は、商文化や夏文化を探究し、中華文明の起源をたどる原点であり礎でもある。

　福建省泉州市は古代海のシルクロードの起点として、千年以上にわたる海上往来の歴史を持つ。衛星写真で泉州古城を見ると、中国式の伝統家屋「古厝（こせき）」と南洋風の騎楼（道路に面する１階部分に空間を設けて人が通行できるようにした建物）が混在し、色濃い閩南（びんなん、福建省南部）地方の風情が漂う。宋代や元代には、多くの文明がこの地で交流、融合していた。今でも多様性と開放性、寛容性はこの都市の基調となっている。

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　雄大に連なる秦長城の遺跡。（１月６日、小型無人機から、包頭＝新華社記者／連振）pagebreak

　フフホト市にある明の長城遺跡。（１月１６日、小型無人機から、フフホト＝新華社記者／連振）pagebreak

　「北京３号」衛星が撮影した莫高窟。（北京＝新華社配信）pagebreak

　莫高窟の洞窟エリア。（資料写真、小型無人機から、敦煌＝新華社記者／陳斌）pagebreak

　莫高窟第１４８窟にある壁画。（資料写真、敦煌＝新華社配信）pagebreak

　「北京３号」衛星が撮影した良渚古城遺跡。（北京＝新華社配信）pagebreak

　発掘中の良渚古城城壁遺跡。（２０１１年３月９日撮影、杭州＝新華社記者／徐昱）pagebreak

　良渚文化遺跡出土の（上段左から）黒陶器、玉琮（ぎょくそう）、木靴、（下段左から）漆器、陶片、玉璧。（組み合わせ資料写真、杭州＝新華社記者／翁忻暘）pagebreak

　「吉林１号」衛星が撮影した殷墟。（北京＝新華社配信）pagebreak

　殷墟遺跡の甲骨窖穴（こうけつ）から出土した文字を刻んだ亀の甲羅。（資料写真、鄭州＝新華社記者／王頌）pagebreak

　河南省の安陽博物館に展示されている婦好（ふこう）墓から出土した玉器。（組み合わせ資料写真、安陽＝新華社記者／李安）pagebreak

　「北京３号」衛星が撮影した福建省泉州市の開元寺東西塔と古城（旧市街）保護中核区域。（北京＝新華社配信）pagebreak

　晋江市（泉州市管轄下の県級市）安海鎮の安平橋。（２０２１年７月８日、小型無人機から、泉州＝新華社記者／姜克紅）pagebreak

　石獅市（泉州市管轄下の県級市）の石湖埠頭（ふとう）にある古代の渡し場。（２０２１年７月７日、小型無人機から、泉州＝新華社記者／宋為偉）