【新華社北京4月18日】複数の国のデータや関連機関の報告書によると、世界では観光業の回復基調が加速しており、2019年の水準に近づきつつある。中でも中国人観光客の増加は、回復の重要な推進力となっている。
日本政府観光局(JNTO)は、2月の訪日外国人数が約147万人前後と前年同期の90倍近くとなり、19年の6割近くに達したと発表した。
シンガポール政府観光局(STB)は、観光業が力強い回復基調にあるとの見方を示した。同国では1~3月の観光客数が290万人を超え、19年同期の3分の2まで回復した。
国連世界観光機関(UNWTO)はこのほど発表した信頼感指数で、1~4月は世界の観光業の回復が22年同期水準を上回ると予想した。
中国は2月6日、全国の旅行会社とオンライン旅行会社による中国公民の20カ国への団体旅行と「航空券+宿泊」業務の取り扱いを試験的に再開。3月15日には40カ国を新たに対象国に加え、海外団体旅行の目的地はアジア、アフリカ、欧州、オセアニア、南米、北米をカバーする60カ国に拡大した。中国人の海外旅行は2カ月余りで増え続けている。海外旅行の需要は高まり、多くの国も中国人観光客の増加を期待している。
国内外の関係者は、中国の海外旅行の整然かつ急速な回復が中国経済の活力と潜在力を示していると指摘。世界観光市場の盛り返しに寄与し、観光目的地の消費と経済全体の成長見通しをけん引するとの見方を示した。
UNWTOが1月に発表した「世界観光指標」は、経済や衛生、地政学などで多くの課題と不確実性があるものの、世界の観光業は23年に着実に回復すると予測。世界観光客数は新型コロナウイルス流行前の80~95%まで回復する可能性があるとした。