【新華社パリ4月13日】フランスの化粧品大手、ロレアルの北アジアゾーン総裁兼ロレアルチャイナ最高経営責任者(CEO)のファブリス・メガルバン氏はこのほど、新華社の書面取材に対し、ロレアルは中国市場に自信を持っており、市場の潜在的な機会だけでなく、中国の経済発展の見通しについても楽観していると回答した。
同氏は、新型コロナウイルス対策の調整で中国の市場ニーズは力強く回復しており、第2四半期(4~6月)の化粧品市場はさらに回復すると予測。消費潜在力が絶えず喚起される中、ロレアルは30年までに中国のさまざまな都市で新たに1億人のユーザーを獲得するとの見方を示した。
同社は1997年に中国内地市場に進出、中国はすでに同社にとって世界第2の市場となっている。同氏は「われわれはイノベーションが主導する質の高い発展の新時代に入っており、これは中国が進む経済発展の計画された道筋と合致している」と述べた。
22年の決算によると、同社は中国内地市場のオンライン販売額で2桁成長を実現した。同氏は「中国はロレアルのグローバル投資の風向計となっている。過去25年にわたり一貫して中国に投資してきたし、今後も中国に投資し続ける」と強調した。
同社は中国にリサーチ&イノベーションセンター1カ所と工場2カ所を有する。同社初のインテリジェント・フルフィルメントセンターとクリーンルームも中国で建設された。同氏は「安定したエンドツーエンドのサプライチェーンと二つの自社工場はロレアルの中国事業の堅固な後ろ盾となるだけでなく、われわれが世界の不確実性に対処していくための強大な支えにもなっている」と分析した。
同氏は、中長期的に見て中国はロレアルの成長のエンジンであるだけでなく、イノベーションや持続可能性、人材の面でも重要な戦略的地位を占めていると指摘。「中国は独特のエコシステムを備え、デジタル化発展と科学技術の分野で世界をリードしており、ロレアルのオープンイノベーションの原動力となっている」と述べた。
同社は22年、中国で初めて投資会社を設立した。より多くの中国の協力パートナーと連携し、潜在力のあるイノベーション企業を見いだし、将来性のあるイノベーション成果を育成して商業化を促し、中国のオープンイノベーションを推進する狙いがある。
同氏はまた、中国は全国統一の大市場建設を加速させ、ビジネス環境の改善を推進、国内と国際の「双循環」を促進しており、同社はその中から大きな利益を得ていると指摘。中国と国際市場の結び付きはさらに緊密になっており、中国国際輸入博覧会の開催はその例の一つであるとし、「ロレアルはすでに5年連続で輸入博に出展しており、今年は6回目となる。輸入博のさらなる盛会を見守り、支持していきたい」との考えを示した。
その上で同氏は、「中国では改革の歩みがさらに加速し、ビジネス環境も改善されつつあり、われわれは中国市場にいっそう自信を深めている」と表明した。