中国などの科学者、バッテリー正極材料の新たな調製法を考案

中国などの科学者、バッテリー正極材料の新たな調製法を考案

新華社 | 2023-01-18 08:33:33

   【新華社北京1月18日】バッテリーは新エネルギー車や家電製品の「心臓」であり、駆動時間は消費者の購買意欲に大きく影響する。駆動時間に対する市場の要求が高まり続ける中、高エネルギー密度はバッテリー技術開発の主流となっている。中国などの科学者はリチウムイオン電池の正極材料に着目し、バッテリーが高電圧で使用される際に起こりがちな失活や爆発などの安全性の問題を解決する新たな材料調製法を考案した。

   研究は、北京大学の黄富強(こう・ふきょう)教授、米マサチューセッツ工科大学の李巨(り・きょ)教授、清華大学の董岩皓(とう・がんこう)助理教授が共同で完成させ、13日に英科学誌「ネイチャー・エネルギー(Nature Energy)」電子版に掲載された。

   高電圧はバッテリーのエネルギー密度を高める重要な方法の一つだが、リチウムイオン電池は電圧が高くなるにつれて正極材料の結晶構造が破壊され、電解液の分解が生じて電池内部でガスが発生し、体積が膨張するなどの安全上の問題を起こしやすくなる。研究チームは問題を解決するため「ランタン浸透法」というイオン交換調製の新たな方法を考案。正極材料の表面を厚さわずか数ナノメートルの極薄ペロブスカイト構造の「保護層」で巧みに覆い、高電圧下での材料のサイクル安定性を大幅に向上させた。

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