【新華社北京1月17日】中国外交部の汪文斌(おう・ぶんひん)報道官は16日の定例記者会見で、日米の首脳がこのほど中国のイメージを傷つける共同声明を発表したことを受け、「中国は米国と日本に対し、冷戦思考を捨て、中国を封じ込め抑圧しようという妄念から脱却し、世界に災いをもたらす好戦的で危険な行為をやめるよう促す」と表明した。
汪氏は記者から「報道によると、米国のバイデン大統領と日本の岸田首相が13日にワシントンで会談し共同声明を発表した。中国がルールに基づく国際秩序に違反し、目下のアジア太平洋地域における緊張の高まりを招いていると発言し、双方が日米同盟と日本防衛の強化に努めると述べ、東中国海や台湾などの問題で中国を非難した。これについてコメントは」との質問を受け、次のように述べた。
日米が共謀して中国のイメージをおとしめ、中国の内政に干渉し、中国の発展を抑圧しようという茶番劇を演じることは、非常に偽善的で危険である。中国はこれに断固反対し、すでに関係国に厳重な申し入れを行った。
日本はかつて軍国主義の誤った道に足を踏み入れ、侵略戦争を起こし、人道に対する重大な罪を犯し、地域と世界に深刻な災厄をもたらした。しかし、日本は真剣に反省するどころか、再び軍備強化・拡大の危険な姿勢を示し、11年連続で防衛予算を大幅に増やしている。安全保障政策を絶えず調整し、軍事力の大いなる飛躍を目指しながら、実態と異なる地域情勢の緊張を言い立て、自国の軍備増強の口実とし、北大西洋条約機構(NATO)をアジア太平洋地域に引き込もうとさえしている。日本のあらゆる行動を見ると、日本が戦後の平和的発展の軌道から離れつつあり、歴史の過ちを繰り返す危険が高まっているのではないかという疑念を抱かざるを得ない。われわれは日本に、アジア太平洋の安全と安定を破壊し、かき乱す者は、必ずや地域の国々から幅広く反対され、強い反発に遭うと通告する。
米国は他国に対し、ルールと秩序について繰り返し大げさに述べてきたが、米国こそ国際ルールと秩序の破壊における第一人者の名にふさわしい。他国に対する恣意的侵略や一方的な制裁乱発を行っており、国連分担金の大型滞納国であり、悪意をもって世界貿易機関(WTO)上級委員選任を拒否して機能不全に陥らせた妨害者でもある。他国を意のままに操る「強圧外交」を展開し、各地で寄り集まって閉鎖的で排他的な「小さなグループ」をつくり、軍艦や航空機を大量配備してアジア太平洋地域で力を誇示している。そして核拡散の「パンドラの箱」を開くなど、米国は一度たりともルールや秩序を気に掛けたことはなく、米国の念頭にあるのはその覇権の安定だけだ。米国の利益にならない限り、例えそれが自ら提案したルールであっても、米国は既存のルールを無視し、修正し、覆してしまう。
中国が揺るぎなく自身の特色ある社会主義の道を歩み続け、平和的発展を遂げることは、いかなる国や勢力によっても止められないことを指摘しておく。中国は必要な措置を講じ、自国の主権と安全、発展利益を断固守っていく。
米国と日本が冷戦思考を捨て、中国を封じ込め抑圧しようという妄念から脱却し、世界に災いをもたらす好戦的で危険な行為をやめ、平和、友好、協力の正しい道に戻るよう促す。