中国の人民元貸出残高、22年は21兆元超増加 人民銀

中国の人民元貸出残高、22年は21兆元超増加 人民銀

新華社 | 2023-01-17 16:04:02

  【新華社北京1月17日】中国人民銀行(中央銀行)の関係者はこのほど、国務院新聞(報道)弁公室が開いた記者会見で2022年の金融統計について説明した。

 人民銀は22年、預金準備率を2回にわたって引き下げ、実体経済に1兆元(1元=約19円)超の長期流動性を提供した。人民元貸出残高の通年の増加額は21兆3100億元で、前年を1兆3600億元上回った。22年末の広義通貨供給量(M2)の前年同期比伸び率は11・8%で、前年を2・8ポイント上回った。

 人民銀調査統計司の阮健弘(げん・けんこう)司長はM2の伸び率上昇について、金融機関による実体経済への資金面での支援強化で通貨供給が増加したことが主因だとした。また人民銀が剰余金1兆1300億元を納付して政府の財源を強化、財政支出がM2の伸び率を約0・5ポイント押し上げたと指摘した。

 22年には貸出構造の最適化が進み、困難を抱える層と重点分野に恩恵を及ぼした。製造業向けの中長期貸出残高は22年末時点で前年同期比36・7%増え、伸び率は各種貸出残高を25・6ポイント上回った。インフラ向けの中長期貸出残高は13・0%増え、伸び率は各種貸出残高を1・9ポイント上回った。小規模・零細企業向けのインクルーシブファイナンスの残高は23・8%増え、伸び率は各種貸出残高を12・7ポイント上回った。中小テクノロジー企業向けの貸出残高は24・3%増え、伸び率は各種貸出残高を13・2ポイント上回った。

 人民銀通貨政策司の鄒瀾(すう・らん)司長は、人民銀は22年、複数の構造的金融政策ツールを活用、インクルーシブファイナンスやグリーン(環境配慮型)発展、科学技術イノベーションなどの国民経済の重点分野と弱点分野をめぐり、金融機関が合理的に融資を提供するよう導いたと指摘。22年末時点の構造的金融政策ツールによる貸出残高は約6兆4千億元で、マクロ経済の基盤を安定させる前向きな働きを担っていると述べた。

 22年に先進国の多くが大幅な金融引き締め政策に踏み切った。人民銀の宣昌能(せん・しょうのう)副総裁は、中国はマクロ経済の規模が大きく、強靱(きょうじん)性が高く、正常な金融政策の実施を堅持しており、金融による実体経済支援も引き続き強化し、金融体系の自主性と安定性が高まり、人民元レートの見通しも安定しているとし、これらの要素が先進国の利上げの波及効果など外部リスクの緩和と対応を促しているとの見方を示した。

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