中国、高圧直流送電の「変速機」を国産化

中国、高圧直流送電の「変速機」を国産化

新華社 | 2022-12-03 10:18:57

  広東省広州市従化区にある渓洛渡直流プロジェクトの従西交直変換所。(資料写真、広州=新華社配信)

 【新華社広州12月3日】中国が初めて独自開発した負荷時タップ切換器を採用した交直変換器がこのほど、広東省広州市従化区にある渓洛渡(けいらくと)直流プロジェクトの従西交直変換所で稼働した。

 交直変換器に負荷時タップ切換器を取り付ける様子。(資料写真、広州=新華社配信)

 開発を主導した中国南方電網超高圧輸電生産技術部の馮鶇(ふう・とう)副総経理は「交直変換器に搭載する負荷時タップ切換器の技術をゼロから開発し、産業チェーンの完全な国産化を実現した」と説明した。

 交直変換器に負荷時タップ切換器を取り付ける様子。(資料写真、広州=新華社配信)

 渓洛渡直流プロジェクトの従西交直変換所は、西部の電力を東部に送る中国のエネルギー戦略「西電東送」の重点プロジェクトとなっている。中国は東西数千キロにわたるため、西部の電力を東部に送るには長距離・大容量・高電圧の直流プロジェクトが必要になる。送電端と受電端ではいずれも重さ300トン余りの交直変換器という中枢設備が使われる。交直変換器用負荷時タップ切換器は自動車の自動変速機のようなもので、電圧や負荷、電流は全てこの切換器を通じて調整される。

 負荷時タップ切換器は非常に複雑で精密な機器で、高い信頼性が求められ、製造の難度も高い。この技術を持つのはこれまで外国の一部メーカーのみだったため、一度故障すると同型の製品を輸入して交換するしかなく、注文サイクルに3~4カ月かかるなど、電力供給の安全性に課題があった。

 中国南方電網超高圧輸電の劉相槍(りゅう・しょうそう)副総経理によると、定格容量6千キロボルトアンペア(kVA)、最大電圧6千ボルト(V)、最大定格電流1300アンペア(A)という大容量の交直変換器用負荷時タップ切換器を、産業チェーンの上下流企業と共同で開発した。

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