中国とNZの科学調査員、ケルマデック海溝の最深部に到達

中国とNZの科学調査員、ケルマデック海溝の最深部に到達

新華社 | 2022-12-01 15:00:09

  11月27日、全水深有人潜水艇「奮闘者号」を載せ、オークランドの港に停泊する科学調査船「探索1号」。(オークランド=新華社記者/郭磊)

  【新華社オークランド12月1日】南太平洋のケルマデック海溝で深海調査を行っていた中国とニュージーランドの合同科学研究チームはこのほど、両国の科学調査員が有人潜水艇で同海溝の最深部に到達したと発表した。両国が合同で深海調査を行うのは初めてとなる。

  全水深有人潜水艇「奮闘者号」を載せた科学調査船「探索1号」は10月6日に中国の海南省三亜市を出発、同31日にニュージーランド北部オークランドの港から、最も深い地点で水深1万メートルを超える同海溝に向かった。11月25日に初回の任務を終え、オークランドの港に帰還した。

 調査を率いた中国科学院深海科学・工学研究所の彭暁彤(ほう・しょうとう)氏によると、奮闘者号は今回の調査で16回の潜水作業を行い、うち14回は作業水深が6千メートルを超えた。海溝軸に沿って最深部まで5回潜航し、うち2回は水深が1万メートルに達した。

 11月4日、潜水艇に乗り込んだ中国科学院深海科学・工学研究所の鄧玉清(とう・ぎょくせい、中央)、袁鑫(えん・きん、左)両潜航員とNZ国立水圏大気研究所(NIWA)のカリン・シュナーベル研究員。(オークランド=新華社配信)

 11月14日、全水深有人潜水艇「奮闘者号」が撮影した海洋生物。(オークランド=新華社配信)

 同海溝で有人深海潜水調査が広範囲にわたって体系的に行われるのは世界初という。調査で採集した深海の生物や岩石、堆積物のサンプルは、深海での生命の進化や適応メカニズム、沈積環境の変化、プレートの沈み込み帯、物質交換フラックスを理解するための重要な手掛かりになるとみられる。

 11月7日、全水深有人潜水艇「奮闘者号」が撮影した海洋生物。(オークランド=新華社配信)

 発表によると、今回の調査で、同研究所の鄧玉清(とう・ぎょくせい)潜航員とニュージーランド国立水圏大気研究所(NIWA)のカリン・シュナーベル研究員が、同海溝の最深部に到達した人類史上初めての女性となった。

 シュナーベル氏は今回の潜航について、不思議な体験だったと説明。「3時間かけて水深1万メートルまでゆっくりと潜航した。海底ではさまざまな未知の生物に遭遇。今回の調査で記録・撮影した多くの生物種が全くの新種だと信じている」と語った。

 11月27日、科学調査船「探索1号」に搭載された全水深有人潜水艇「奮闘者号」。(オークランド=新華社記者/郭磊)

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