ハルビン市の冬の風物詩「ハルビン氷雪大世界(ハルビン氷祭り)」。
【新華社ハルビン11月22日】中国の省・自治区・直轄市の中で最も北に位置する黒竜江省のハルビン市に冬の観光シーズンが到来した。氷と雪の文化、自然景観、東西の文化が融合した建築物、現代的な音楽など、さまざまな魅力にあふれている。
氷雪文化のもう一つの見どころ「太陽島国際雪像芸術博覧会」には、さまざまな形の雪像が設置され、中には10階建ての建物に相当するほど巨大な雪像もある。ハルビンでは雪と氷が息をのむような芸術作品となり、人々の日常生活に溶け込んでいる。
冬を満喫するレジャーも豊富にある。毎年冬になると、雪合戦や雪だるま、スキー、スノーサークル、氷の滑り台、氷のそり、氷上コマ回しなどを楽しむ市民や観光客らの姿が見られる。
雪と氷の魅力にあふれたハルビン市の物語は、長白山の天池湖を源流とする「松花江」から始まる。市内を流れる松花江は、市に活力をもたらしてきた「母なる川」と言える。この地に約千年前、金と清二つの王朝が建国された。人々は漁業や狩猟、農耕を営み、やがて人口が増えると松花江沿いにいくつかの村が発展していった。
19世紀末に中国東方鉄路(東清鉄道)の最初の枕木が敷かれると、小さな漁村だった村の発展が始まった。ハルビン市は鉄道の建設が都市化に先行した数少ない都市となり、「列車にけん引された都市」とも呼ばれた。急速に国際化したハルビンは、瞬く間に東洋と西洋が混在する大都市となった。
ハルビンを訪れる人は、真っ先に中央大街に足を向ける。全長1450メートルにわたって伸びる通りはさながら「建築美術館」で、バロックやルネサンス、折衷主義など、西洋建築史において影響力のある建築様式の数々を見ることができる。
中央大街から2ブロック先には1907年創建の聖ソフィア大聖堂ある。雪が降ると、赤いれんがを積み上げた壁と緑のドーム状の屋根が一層美しく見え、おとぎ話の世界を思わせる。
欧州の情緒と東方文明が融合したエリア「老道外」はもう1つの見逃せないスポットとなっている。このエリアの建築は、外側はバロック様式だが、内側には中国式庭園が配置されている。外壁のレリーフには、五穀豊穣を表す麦の穂と富貴で縁起の良いボタンが施されている。
ハルビン市の魅力は建築だけではない。同市には音楽の伝統もあり、19世紀末からオペラやバレエ劇、ジャズなどが伝わり、地元の文化と融合して国内で最も早く音楽学院や交響楽団が誕生し、中国近代音楽の発祥地の一つとなった。同市は2010年6月、国連教育科学文化機関(ユネスコ)から「音楽の都」の称号を授与された。