中国などの研究者、EPA生合成の代謝のボトルネックを解決

中国などの研究者、EPA生合成の代謝のボトルネックを解決

新華社 | 2022-11-15 11:02:13

   【新華社武漢11月15日】中国農業科学院油料作物研究所は、同研究所の油料品質化学・加工利用チームがこのほど、EPA(エイコサペンタエン酸)の生合成と代謝の調節に関する研究で重要な進展を遂げたと発表した。研究者は、EPAを豊富に含む海藻から、EPAを効率的に合成する分子調節メカニズムを発見し、EPA含有量を調節する鍵となる遺伝子LPCATを割り出すとともに、合成生物学的手法を用いて油脂生産酵母のEPA含有量を大幅に増加させ、EPA生合成における代謝のボトルネックの問題を解決した。

   研究論文の主要執筆者で同研究所副研究員の龔陽敏(きょう・ようびん)氏は、EPAはオメガ3系多価不飽和脂肪酸の一種で「血管の掃除屋」の異名を持ち、ヒトの脂質異常症(高脂血症)の症状を効果的に改善できると説明。現在、EPAは主に深海魚の油から精製されているが、このような既存の供給源には、海洋環境に潜む汚染リスクや魚類資源の有限性という制約があり、持続可能性に欠けると指摘した。これに対し、油料作物や油脂生産微生物を用いた合成生物学的手法によるEPAの生産は、幅広い応用の見込みがある。

   龔氏によると、単細胞海藻のLPCAT遺伝子は、合成生物学的手法を用いたEPAの生産に応用できる可能性が高く、油脂生産微生物や油料作物のEPA合成に重要な遺伝資源を提供するという。当該遺伝子に関連する知的財産権は、すでに中国の発明特許を出願している。

   研究は中国農業科学院油糧作物研究所の油料品質化学・加工利用チームが主導し、ポーランドのグダニスク大学、フランスのグルノーブル・アルプ大学などが参加した。研究成果はこのほど、国際学術誌「Plant Biotechnology Journal」のオンライン版に掲載された。

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