【新華社ナイロビ11月15日】ジブチの港湾・自由貿易局のアブバカル・オマル・ハディ局長はこのほど、新華社の取材に応じ、「インフラや貿易分野での中国との協力は、ジブチと世界各地の交通網との接続を強化し、ジブチが地域の海運・ビジネスの中心地になるという目標の実現を支えている」と述べた。
ジブチはここ数年、「一帯一路」共同建設に積極的に関わり、同国政府の長期国家戦略「ジブチビジョン2035」と結び付け、海運の要衝という同国独自の地理的優位性を生かし、アフリカ全土により多くのビジネスチャンスと経済的メリットをもたらしている。
ジブチの港湾は自然条件に恵まれ、大きな発展の潜在力を備える。港湾サービス業を主体とする交通輸送、ビジネス、サービス業は国内総生産(GDP)の約8割を占める。ただ、百年以上前に整備された港は、施設の老朽化や取扱能力の不足、荷役作業の遅れなどが問題となり、同国ひいてはアフリカの急速な発展による輸送需要に追いついてない。
中国企業が建設を請け負ったジブチのドラレ多目的港は2017年に開港した。年間貨物取扱能力は708万トン、コンテナ20万TEU(20フィートコンテナ換算)に上る。
同港は東アフリカで最も現代的な港湾の一つとなり、ジブチの港湾経済を支える重要な柱となった。ハディ氏は、同港は開港から5年で潜在力が存分に引き出され、貨物の輸送エリアはアフリカ全土をカバーしていると紹介した。
また、中国企業が建設に参画したジブチ国際自由貿易区は18年9月に稼働し、現時点で200社以上が入居している。中国の胡斌(こ・ひん)駐ジブチ大使は同自由貿易区について、同国が経済を転換させ、高付加価値産業へと歩みを進めるための重要なプラットフォームであると述べた。同国の港湾に到着した貨物は同自由貿易区で加工でき、さらに域内企業の手で川上・川下部門など全ての産業チェーンへと流通することも可能で、同国経済の多元化発展を促している。
このほか、「アディスアベバ-ジブチ鉄道」は、中国とアフリカによる「一帯一路」共同建設のシンボル的プロジェクトである。鉄道の運営・メンテナンスを担当する企業の王玉戈(おう・ぎょくか)氏によると、鉄道によりジブチ港湾の集荷分散能力は向上し、ジブチからアディスアベバへの貨物輸送時間はこれまでの3~7日から18時間に短縮された。「ジブチ港湾の輸入貨物の70%がエチオピアへ運ばれ、エチオピアの輸出貨物の90%がジブチの港湾を経由して世界へと運ばれている。鉄道は地域の持続可能な発展と一体化を推進している」とした。