RCEP参加国企業、輸入博に集結 協定発効「着実な恩恵」

RCEP参加国企業、輸入博に集結 協定発効「着実な恩恵」

新華社 | 2022-11-10 16:53:38

  5日、上海市で開かれたハイレベルフォーラム。(上海=新華社記者/方喆)

 【新華社上海11月10日】中国上海市で5日に開かれた第5回虹橋国際経済フォーラムでは「「地域的な包括的経済連携(RCEP)協定とより高いレベルの開放」と題したハイレベルフォーラムが最重要イベントの一つとして開かれ、出席者からは、今年1月1日の発効以降、RCEP参加国の企業は着実な恩恵を受けており、同協定のメリットが顕在化しつつあるとの見方が示された。

 RCEPは東南アジア諸国連合(ASEAN)10カ国と中国、日本、韓国、オーストラリア、ニュージーランドで構成され、世界の人口とGDPの約30%をカバーし、「世界最大規模の自由貿易圏」を形成する。今回の中国国際輸入博覧会(輸入博)では、RCEPの全参加国の企業が一堂に集まった。

 国連貿易開発会議(UNCTAD)のグリンスパン事務局長は「世界の開放度はますます低下し、貿易コストはますます上昇、サプライチェーンに目詰まりが生じている中、RCEPは東アジアとアジア太平洋地域の貿易一体化を推進し、地域ないし世界の開放・協力促進、世界経済の発展に貢献する」と評価した。

 カンボジアのオーン・ポーンモニロット副首相兼経済財務相は「RCEPはここ数年で地域の開放・協力における最大の成果だ」とし、地域の経済・貿易協力を促し、地域と世界のサプライチェーン・産業チェーンの統合を強化するための全面的な枠組みとなり、地域の発展ビジョンの実現と世界の繁栄・発展に力強い原動力をもたらすとの見方を示した。

  RCEPの発効後、域内諸国の企業は関税減免、原産地累積規定、貿易円滑化などのメリットを活用し、実際に利益を受けている。中国商務部の統計では、中国とその他のRCEP参加国14カ国との1~8月の貿易額は8兆3200億元(1元=約20円)で、中国の貿易総額の30・5%を占めた。RCEP発効は着実にメリットをもたらしている。

 グリンスパン事務局長は「世界の開放促進における中国の重要度はこれまでになく高まっている。中国が多国間貿易でより重要な役割を発揮し、多国間主義の発展を推進することを希望している」と語った。

 ASEANのリム・ジョクホイ事務局長は「RCEPの十分な実施は資本とサービスの流通を促進し、長期にわたって問題となってきたサプライチェーンの目詰まりを解消することになる。さらに地域統合のレベルを高め、地域の結束力を増進させる」と指摘。RCEPは開放的な協定で、域内の貿易投資を促進するだけでなく、域内の小規模・零細企業によるグローバルな産業チェーン・サプライチェーンへの参入にもプラスに働き、発展の潜在力が大きいとした。

 米中ビジネス評議会(USCBC)のクレイグ・アレン会長は、2040年にはアジアはGDPで世界の50%、消費で世界の40%を占めるようになるとの予測データを紹介し、アジアの発展は世界経済にとって極めて重要だと強調。「RCEPの実施は世界にとって重要なマイルストーンで、参加する国や地域、貿易取引を行う多国籍企業、さらには世界全体に恩恵をもたらす」との見方を示した。(記者/伍岳、周蕊)

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