27日、「塩黄香粳」の収量検査現場。(東営=新華社配信)
【新華社北京11月3日】中国科学院遺伝・発育生物学研究所は、同研究所の研究チームがこのほど、新たに選抜育成した耐塩性高品質イネの新品種「塩黄香粳」の収量検査を山東省東営市で実施したと発表した。収量は1ムー(約667平方メートル)当たり505・1キロで、外観品質と加工品質ともに高品質米1等級の規格をクリアした。同品種は今後、中国が塩類・アルカリ性土壌の活用を促進する上で、重要な種子資源となる。
27日、「塩黄香粳」の収量検査現場。(東営=新華社配信)
同チームは今年6月、塩分含有量が0・6~0・8%の塩類・アルカリ性土壌200ムー(約13ヘクタール)に、塩黄香粳を乾田直播方式で植え付けた。乾田直播は、水を張る前の乾田に種をまき、苗がある程度成長してから水を入れる方式を指す。今回の栽培では、最初に真水を入れて水稲の発芽と苗立ちを促進し、7月以降に塩分含有量0・25~0・35%の汽水を引き込み、かんがいに利用した。
27日、この秋収穫された「塩黄香粳」。(東営=新華社配信)
収量測定の専門家グループは、塩黄香粳が耐塩性、高品質、高収量の特性を兼ね備えていると指摘。塩分含有量が0・6~0・8%の塩類・アルカリ性土壌や汽水かんがいに適応できることから、品種審査のプロセスを加速させ、普及活動を強化するよう提案した。
中国科学院遺伝・発育生物学研究所は今年、東営市に黄河デルタ塩類・アルカリ性土壌農業試験場を設立。独自の知的財産権を持つ耐塩性の大豆やイネ、コーリャン、トウモロコシなどの新品種の実証栽培を実施した。栽培面積は計1500ムー(約100ヘクタール)に及ぶ。