【新華社北京10月29日】中国外交部の汪文斌(おう・ぶんひん)報道官は28日の定例記者会見で、米国防総省がこのほど発表した「核態勢の見直し(NPR)」に関する質問に答え、「米国が冷戦思考と覇権主義の論理を捨て、理性的で責任ある核政策を取り、核軍縮に対する特殊かつ優先的な責任を確実に履行し、世界の戦略的安定を守り、世界の平和と安全を増進するためにしかるべき役割を果たすよう忠告する」と述べた。
汪氏は会見で次のように述べた。米国のNPRは大国間の競争と陣営対立を誇張し、冷戦思考とゼロサム概念に満ち、核兵器を地政学的目標推進の道具としており、核戦争を防ぎ核軍拡競争を回避する国際的な期待に逆行している。
米国は最大の核兵器保有国として、陸・海・空「三位一体」の核戦力を拡大し続け、相手を抑え付けるための国際的な核軍縮アジェンダを選択的に推進している。米国の政策は、絶対的な軍事的優位性を求める覇権主義の論理を反映しており、核軍拡競争を刺激する。
米国は、核攻撃と核兵器以外の戦略的攻撃に対し核兵器を使用することを明言しており、戦術核兵器の開発を強力に進め、その前方配備を求めている。米国は、国家安全保障政策における核兵器の役割を強化し、核兵器使用のハードルを下げており、日増しに核紛争を引き起こすリスク要因となっている。
米国は、特定の国による核の脅威を誇張し、核抑止戦略をそれぞれの国に合わせ、「核拡散防止条約(NPT)」に違反する「核共有」の準備を提唱し、アジア太平洋地域の同盟国との拡大抑止を強化すると明言している。これは、大国の相互信頼を損ない、核軍拡競争と核対立を扇動し、核拡散を刺激し、世界と地域の平和と安定を著しく破壊する。
米国はNPRの中で、中国の正常な核戦力の現代化に対してあれこれ非難し、でたらめな推測を行い、露骨に中国を狙った核抑止戦略を打ち出しているが、中国はこれを深刻に懸念し、断固反対する。米国に対し、中国には国家安全保障の利益を守る能力と自信があり、米国の核による恫喝が中国を脅かすことはできないと警告しなければならない。
中国は米国に対し、冷戦思考と覇権主義の論理を捨て、理性的で責任ある核政策を取り、核軍縮に対する特殊かつ優先的な責任を確実に履行し、世界の戦略的安定を守り、世界の平和と安全を増進するためにしかるべき役割を果たすよう忠告する。