【新華社ロンドン10月27日】英オックスフォード大学開発技術・管理センター(TMCD)の傅暁嵐(ふ・ぎょうらん)主任はこのほど、新華社の取材に応じ「開放的な国家革新システムにより、中国は特色ある革新の道を歩み、過去10年間の中国経済の発展に新たな原動力を注入し、他国にも手本を示した」と述べた。
傅氏は中国の革新発展の道について、開放的な国家革新システムだと指摘。この革新システムは政府と市場が両輪駆動し、世界の革新システムに能動的に溶け込み、国内・国際の二つの市場、資源、知識の蓄積を利用し、中国の特色ある「両輪駆動、両市場、両資源」革新システムになると語った。
過去10年間における中国の革新発展の特徴について傅氏は、自主的な革新への投資と能力が大幅に向上し、研究開発の国際協力、革新の「海外進出」に向けた海外研究開発センターの設置、ハイエンド革新人材の国際的な流動など、能動的で非従来型のイノベーションの国際化を伴っていると説明。この10年間に節約型イノベーションモデルなど、中国の特色ある革新方式がいくつか生まれたことについて、「同モデルが製品コストを削減したことで、より多くの中・低所得世帯が革新的な製品やサービスを享受できるようになっただけでなく、原材料や投資の節約にもなり、持続可能な発展の理念に合致している」と述べた。
傅氏は中国の革新的発展のもう一つの特徴は、グローバルバリューチェーンによる駆動だと指摘。中国企業が既存のグローバルバリューチェーンに溶け込み、そこから学び、イノベーションを起こすだけでなく、一部の中国系多国籍企業がすでにグローバルバリューチェーンのイノベーションをけん引しているとの考えを示した。
さらに、過去10年間で中国は多くの革新を図る業界・分野でブレークスルーを実現し、デジタルイノベーションにより中国のデジタル経済が世界のトップグループ入りを果たしていると述べ、中国の人工知能(AI)、宇宙技術、深海探査、新エネルギー科学技術がいずれもめざましい成果を収め、中国経済の発展に新たな原動力を注ぎ込んでいるとの見方を示した。
過去10年間に中国の革新が進んだ主因として、傅氏は次の三つを挙げた。
一つ目は、中国が進化と発展を続ける中で、自らに適した革新モデルを探っており、中国の政府部門は科学技術革新政策を絶えず打ち出し、整備し、革新システムの改革を推進し、異なる革新モデルの試みと発展を奨励している。
二つ目は、中国の革新理念が人々の心に深く浸透しており、中国経済と世界の科学技術の絶え間ない発展や国際環境の変化に伴い、政府や企業から民衆に至るまで、革新の重要性に対する認識が人々の心に深く浸透している。
三つ目は、イノベーションの条件が大幅に改善している。中国の研究開発投資は増加を続けており、イノベーション生態系が10年間で大きく発展した。
傅氏は最後に、中国の「開放的な国家革新システム」は他国にも手本を示していると指摘。中国の「両輪駆動、両市場、両資源」の革新モデルが、国有・民営・外資系を問わず、さまざまな市場主体が役割を発揮できるようになっており、これは発展途上国にとって参考になるとの見方を示した。