【新華社北京10月8日】中国四川省の通済堰、江蘇省興化市の興化垜田(かさ上げ畑)、浙江省麗水市松陽県の松古灌区、江西省贛州(かんしゅう)市崇義県の上堡棚田が6日、2022年(第9回)世界かんがい施設遺産リストに登録された。
水利部によると、中国の世界かんがい施設遺産は新たに登録された4カ所を含め30カ所となった。
通済堰かんがい区は成都市新津区の南河、西河、金馬河の合流地点から始まり、国内最大規模で運用時間の最も長い可動堰となっている。都江堰かんがい区を支える重要地点で、主に成都市、眉山市の2市4県区に生活用水や生産用水、生態用水を提供し、かんがい面積は52万ムー(約3万5千ヘクタール)に達している。
江蘇省興化市の興化垜田。(資料写真、興化=新華社配信)
興化垜田かんがい排水施設は高地旱田かんがい排水システムで、長い年月にわたり土を積み上げて作られた垜田が、堤防やかんがい排水路、水門などの複合かんがい排水システムと独特なかんがい方式を発展させてきた。かんがい排水能力は健在で、洪水や干ばつの防止、生態農業、景観観光などで効果を発揮している。
浙江省麗水市松陽県の松古灌区にある白竜堰。(資料写真、麗水=新華社配信)
麗水市松陽県にある松古灌区は、中小流域のかんがい施設の見本といえる。当初から人々は松陰渓流域の水流を活かし、堰を築いて水路を建設し、松陰渓の主流と支流を水源としたかんがいネットワークを構築した。明清時代にはさらに整備され、今も松陰渓両岸に広がる16万6千ムー(約1万1千ヘクタール)の田をかんがいしている。
江西省贛州市崇義県の上堡棚田。(資料写真、贛州=新華社配信)
贛州市崇義県北西部に位置する上堡棚田は、急斜面に広がり、面積は約5万1千ムー(3400ヘクタール)にわたる。宋元時代に発達し、明清時代にさらに整備された上堡棚田かんがい施設は、完全な農地水利かんがいシステムと良好な生態保護システムを備えている。(記者/劉詩平)