「中国の二つのイニシアチブが世界の平和を促進」タイ副首相兼外相

   【新華社バンコク１０月８日】タイのドーン・ポラマットウィナイ副首相兼外相はこのほど、新華社の書面取材に応じ、中国は多国間主義の維持を巡って指導的な役割を発揮したと指摘した。中国の習近平（しゅう・きんぺい）国家主席が提起したグローバル発展イニシアチブとグローバル安全保障イニシアチブについて、世界の持続可能な発展と平和促進に向けた中国の努力を反映しているとの認識を示した。

   同氏は「タイは、世界平和と持続可能な発展の促進を巡り、中国が責任ある大国として建設的な役割を発揮することを支持する」と表明。タイのバイオ経済、循環経済、グリーン（環境配慮型）経済モデルは、中国が提起した二つのイニシアチブと理念の上で共通しており、いずれも人間本位を発展の趣旨とし、持続可能で包括的かつバランスの取れた成長を目指していると述べた。

   同氏によると、中国は今年、米ニューヨークの国連本部で「グローバル発展イニシアチブの友好グループ」の設立を発起し、タイも加入した。これは人と自然の調和と共存を守るというタイと中国双方の共通の願いを表している。

   習近平国家主席は、６月に開催された世界発展ハイレベル対話で「中国はグローバル発展協力への資源投入を拡大し、南南協力援助基金を統合して『グローバル発展・南南協力基金』に格上げするとともに、３０億ドル（１ドル＝約１４５円）のベースの上にさらに１０億ドルを増資する。中国・国連平和発展基金への投入を拡大し、グローバル発展イニシアチブ協力の展開を支持していく」と表明した。

   同氏はこれについて心からの歓迎を示し「これらの約束は、最も助けを必要とする国の最も差し迫った問題に世界が協力して対処する上で、大きく貢献すると信じている」と述べた。   

   また、タイは新興５カ国（ＢＲＩＣＳ）のパートナーやその他の新興市場、発展途上国と持続可能な平和を共に構築し、直面する深刻な課題に手を携えて対処することが極めて重要との考えを示した上で「多国間主義の実践が唯一の実務的な道だと考える。建設的な国際協力を通じてこそ、われわれの国民と人類が暮らす地球に繁栄をもたらすことができる」と語った。