「中日友好大使」パンダ、日本の人々との半世紀にわたる絆

「中日友好大使」パンダ、日本の人々との半世紀にわたる絆

新華社 | 2022-10-07 08:34:49

中国から寄贈されたジャイアントパンダの「康康」と「蘭蘭」。東京の上野動物園で初めて一般公開された際には、パンダのニュースが日本中を席巻した。(資料写真、東京=新華社配信)

 【新華社東京10月7日】中国と日本の国交正常化50周年を祝い、日本郵便は9月29日、ジャイアントパンダが描かれた記念切手を発行した。中国の「国宝」パンダは半世紀にわたって日本の人々に深く愛され、中日友好の絆として両国の友好交流の歴史を見つめてきた。

 1972年9月29日、両国政府が「中日共同声明」に調印し、国交正常化が実現。中国政府は友好の象徴として、パンダを日本に寄贈することを決定した。同10月28日、初めてのパンダ「康康(カンカン)」と「蘭蘭(ランラン)」が特別機で東京に到着。空港では当時の二階堂進内閣官房長官が出迎えた。同11月初め、上野動物園でカンカンとランランの一般公開が始まると、2頭を一目見ようと6万人が詰めかけた。翌年、同動物園の入場者数は過去最高となる920万人を記録した。

ジャイアントパンダの赤ちゃん「蕾蕾」(左)と「暁暁」。(2021年8月5日撮影、東京=新華社配信/東京動物園協会提供)

 それから半世紀、パンダの来日は続き、日本各地で最も愛される「動物界のスター」となっている。同動物園では今年1月12日、雄と雌の双子の赤ちゃんパンダ「暁暁(シャオシャオ)」と「蕾蕾(レイレイ)」が初めて一般公開された。新型コロナウイルスの影響で、抽選倍率348倍を突破した幸運な人しか2頭を目にする機会を得られなかったが、抽選で選ばれた神奈川県横浜市の女性は、パンダを絆として日中両国の友好関係が末永く続いてほしいと語った。

「アドベンチャーワールド」で開催されたジャイアントパンダの赤ちゃん「楓浜(ふうひん)」の誕生日会の様子。(2021年11月22日撮影、和歌山=新華社記者/姜俏梅)

 和歌山県白浜町のレジャー施設「アドベンチャーワールド」には、パンダの大家族が暮らす。同施設で生まれたパンダの赤ちゃんは17頭で、いずれも名前に「浜(ヒン)」の字が付けられた。うち11頭が既に中国に返還されている。同施設はパンダの国際協力の中で繁殖頭数が最も多く、中国以外で最大の人工飼育個体群を成す。こうした成果は、中日間で94年から続く繁殖研究協力のたまものと言える。

 兵庫県の神戸市立王子動物園で今年9月16日、雌のパンダ「旦旦(タンタン)」が27歳の誕生日を迎えた。95年の阪神大震災で甚大な被害を受けた市民らを励まそうと、中国は地元自治体の要請に積極的に応じ、2000年にタンタンと雄のパンダ「興興(シンシン)」を送った。熱心なファンは当時を振り返り、パンダに勇気をもらったと話す。20年には市内の郵便局が写真と切手がセットになったフレーム切手「ありがとうタンタン」を発売。同動物園の加古裕二郎園長は「タンタンを絆として中国と良好な関係を維持してきた。こうした関係が次の50年も続くことを願っている」と語った。

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