中国の科学者、新たな月の鉱物「嫦娥石」を発見

中国の科学者、新たな月の鉱物「嫦娥石」を発見

新華社 | 2022-09-11 14:51:57

「嫦娥石」の粒子をCTスキャンした3D形態図。(2022年9月撮影、北京=新華社配信)

 【新華社北京9月11日】中国の科学者が初めて、月面で新たな鉱物を発見し「嫦娥石」と名付けた。この鉱物は人類が月面で発見した6種類目の新鉱物で、中国は月面で新鉱物を発見した世界3番目の国となった。

   中国国家航天局と国家原子力機構(CAEA)は9日、北京で共同記者会見を開き、中国の月探査機「嫦娥5号」がもたらした最新の科学的成果を発表した。

   「嫦娥石」は、柱状結晶体を持つリン酸塩鉱物の一種で、月の玄武岩の粒の中に含まれている。中核集団核工業北京地質研究院のイノベーションチームは、X線回折などの一連のハイテク手段により、月の粒子サンプル14万個の中から、約10マイクロメートルの単結晶粒子を分離し、その結晶構造の解析に成功した。国際鉱物学連合(IMA)の新鉱物・命名・分類委員会(CNMNC)の投票を経て、新たな鉱物と確認された。

   2020年12月17日、嫦娥5号は月の試料1731グラムを地球に持ち帰った。国家航天局はすでに、4回にわたり152件、計5万3625・7ミリグラムの月の試料の配布を完了し、33研究機関98人の申請が通過した。5回目の月の試料は評価・審査を終えており、今後手順に従って配布される。

   中国科学院や教育部、自然資源部、中核集団など複数の機関が月の試料研究を担当することを承認されており、外国人科学者や留学生も共同研究に参加している。現在、マグマの分化や宇宙風化、ヘリウム3、バイオエネルギー変換などで最新の成果が得られており、月の起源と進化の理解、月資源の有効利用の探求、「エネルギー消費量ゼロ」の地球外環境と生命維持システムの実現に、重要な示唆を与えると期待されている。pagebreak

月の土壌試料を計測する中核集団核工業北京地質研究院の研究者。(2021年9月撮影、北京=新華社配信)

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