中国企業、井戸掘削でエジプトの砂漠緑化を支援

   １１日、エジプト・ミニヤ県の砂漠にあるテンサイ畑で、収穫したテンサイをトラックに積み込む作業員。（カイロ＝新華社記者／隋先凱）

   【新華社カイロ７月２５日】エジプト中部のミニヤ県で、大規模な砂漠緑化が進んでいる。緑化事業を支えているのは、掘削事業などを手掛ける中国の中曼石油天然気集団（中曼石油、ＺＰＥＣ）で、すでに１５０基以上の井戸を掘削した。

   エジプトではここ数年、急激な人口増加に伴い、限られた土地と増え続ける人口との矛盾が顕在化しつつある。同国政府は２０１５年、砂漠を開発し農地を拡大する計画を発表。イスマイリア県やミニヤ県などで砂漠緑化事業を開始した。中曼石油はこれをチャンスと捉え、１６年１０月に現地法人の中曼エジプトを設立した。

   中曼エジプトのチームリーダーを務める周貴強（しゅう・ききょう）氏は「１８年に井戸掘削プロジェクトが始まった時、ここは不毛の地だった。われわれが掘った井戸により砂漠は徐々にオアシスへと変わった。今では井戸水をかんがい用水としてテンサイやウマゴヤシ、大麦などの作物が栽培しており、豊作となっている」と語った。

   同社の李偉（り・い）総経理は、地層と地質的条件が分からず、施工開始当初は多くの難題に遭遇したと当時を振り返った。井戸壁が崩落しやすいほか、地下水の水位が一定でないことから漏出もしやすく、他にも地表水の多さやエアコンプレッサーの出力不足などに悩まされ、施工前期は十分な進展が得られなかったという。

   両国の技術チームが協力して研究を進めたことで各種の技術的難題は最終的に解決され、プロジェクトの施工後期は安定的かつ高効率な実施が保証された。同社はすでに井戸１５８基の掘削作業を終えており、今後は協力パートナーの工事の進展状況に基づき、残りの掘削任務を完成させる。

   同社は１７年、エジプトのシナイ半島で井戸掘削サービスを開始した。中国チームの専門的で高品質、高効率のサービスはすぐにエジプト側の高い評価を獲得。培った評判はより多くの協力機会をもたらした。

   中曼エジプトが井戸を掘削したエリアでは、エジプトとアラブ首長国連邦（ＵＡＥ）による合弁会社が昨年からテンサイを栽培している。今年の生産量は前年に比べ５０％増えたという。同社のアーロン・ボールドウィン農業栽培プロジェクトマネジャーは、今年の豊作も耕地の水源が確保されたからだと指摘。「１８年に中曼エジプトと砂漠で井戸の調査と掘削を始め、協力により井戸水でのかんがいが可能になった。掘削プロジェクトが完了すれば３３０～３５０基の井戸ができる。農業栽培プロジェクトの水源も確保できる」と述べた。　

   中国企業との協力については「中曼エジプトの掘削作業は卓越している。われわれの製糖工場も別の中国企業が建設を請け負った」と説明。良好な協力はより深い友好を築いたとし「今後も引き続き協力が深まることを期待している」と語った。pagebreak

   １１日、エジプト・ミニヤ県の砂漠にあるテンサイ畑で、テンサイの積み込みを待つトラック。（カイロ＝新華社記者／隋先凱）pagebreak

   １１日、エジプト・ミニヤ県の砂漠にあるテンサイ畑で散水する自走式散水機。（カイロ＝新華社記者／隋先凱）pagebreak

   １１日、エジプト・ミニヤ県の砂漠にあるテンサイ畑での収穫作業。（カイロ＝新華社記者／隋先凱）pagebreak

   １１日、エジプト・ミニヤ県の砂漠にあるテンサイ畑で、テンサイを見せる地元企業のアーロン・ボールドウィン農業栽培プロジェクトマネジャー。（カイロ＝新華社記者／隋先凱）pagebreak

   １１日、エジプト・ミニヤ県の砂漠にあるテンサイ畑で稼働する井戸。（カイロ＝新華社記者／隋先凱）pagebreak

   １１日、エジプト・ミニヤ県の砂漠にあるテンサイ畑。（小型無人機から、カイロ＝新華社記者／隋先凱）pagebreak

   エジプト・ミニヤ県の砂漠にある畑に設置された中曼石油の掘削施設。（２０２１年２月２日撮影、小型無人機から、カイロ＝新華社配信）pagebreak

   エジプト・ミニヤ県の砂漠にある畑で井戸を掘削する中曼石油の作業員。（２０１６年８月２４日撮影、カイロ＝新華社配信）pagebreak

   エジプト・ミニヤ県の砂漠にある畑に設置された中曼石油の掘削施設。（２０２１年２月２日撮影、カイロ＝新華社配信）pagebreak

   エジプト・ミニヤ県の砂漠にある畑で井戸を掘削する中曼石油の作業員。（２０１８年１１月１２日撮影、カイロ＝新華社配信）