中国寄贈の鑑真像、20日から上野で一般公開 制作者インタビュー

中国寄贈の鑑真像、20日から上野で一般公開 制作者インタビュー

新華社 | 2022-07-19 18:58:21 | 編集:

 18日、インタビューに応じる中国美術館の呉為山館長。(北京=新華社記者/任超)

 【新華社北京7月19日】中国北京市にある中国美術館から東京都に寄贈された彫刻作品「鑑真像」が20日から、上野公園で一般公開される。中国人芸術家が手がけた彫刻作品が園内に置かれるのは今回が初めて。

 彫刻の制作者で同美術館館長の呉為山(ご・いさん)氏はこのほど、新華社のインタビューに応じ、「鑑真の崇高な境地を通じて、中国にまつわる物語と中華民族の幅広さや寛容性を世界に向けて示したい」と語った。

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18日、インタビューに応じる中国美術館の呉為山館長。(北京=新華社記者/任超)

 作品は高さ2・18メートルで、頭部から下に向かって三角形のように大きく広がっている。同公園の地下には交通網があり、耐荷重が限られていることから、数百枚の銅板を叩いてはんだ付けする手法で作られた。工程の複雑さから、完成までに半年近く要した。pagebreak

 18日、中国美術館の外観。(北京=新華社記者/任超)

 「鑑真像」は簡素な着物と対照的に体の厚みが際立っており、鑑真が内面に持つ優しさと善良さを表現している。呉氏は「荒れた海を進む船首に立ち、失明しても悠然たる表情を浮かべ、揺るぎない信念によって幾多の苦難を乗り越えて日本に渡った鑑真の姿を想像した」と説明。「着物の袖が風で膨らんでいるのは、海風だけでなく文化の風を表しており、鑑真の持つ風格と風采を表現した」と述べた。pagebreak

 18日、中国美術館の外観。(北京=新華社記者/任超)

 呉氏は「中日国交正常化50周年に当たる今年、鑑真をその代表的人物とすることで、両国の悠久の文化交流史を振り返ることができる」と指摘した。

 中国美術館はこれまでも、両国の芸術交流を積極的に後押ししてきた。呉氏は「中国美術館が主催した日本の浮世絵と中国清代の木版年画の展示では、両国の作品の多くに共通の創作理念や表現手法があることがわかった」と紹介した。pagebreak

中国美術館が東京都に寄贈した彫刻作品「鑑真像」。(資料写真、北京=新華社配信)

 呉氏は今後の文化交流計画について、日本人芸術家を中国に招いた写生イベントを企画しており、中国の美しい自然や発展した現状を体感してもらいたいと説明。展示やシンポジウムなどのさまざまなイベントを開催することで、両国の文化交流を引き続き促していきたいと述べた。(記者/梁晨、邱虹)

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