中国の科学者、1万4千年前の古人類の姿を解明

中国の科学者、1万4千年前の古人類の姿を解明

新華社 | 2022-07-19 13:39:41 | 編集: 許芸潁

   【新華社昆明7月19日】中国の科学者が古代DNA研究を通じて、1万4千年前に生活していた「蒙自人」の秘密を解き明かした。研究成果はこのほど、国際科学誌「カレント・バイオロジー」電子版に掲載された。

   蒙自人の骨は1989年、雲南省紅河ハニ族イ族自治州蒙自市の馬鹿洞から出土した。専門家の鑑定により、同洞窟は古人類遺跡であることが確認され、緊急発掘調査では蒙自人の頭蓋骨や下顎骨(かがくこつ)、大腿骨を含む古人類化石30点余りと、アカシカやマカク、ツキノワグマなどの動物化石が見つかった。

   論文の筆頭著者、中国科学院昆明動物研究所の張暁明(ちょう・ぎょうめい)研究員によると、馬鹿洞で出土した頭蓋骨は若い女性で、身長は約155センチ、体重は約46キロ。頭蓋骨の高さは低く、暗い肌の色、低い鼻梁の特徴を持つ。脳容量は小さく、約1万4千年前に狩猟採集生活を送っていたことも分かった。張氏は「蒙自人は現生人類の変異の範囲内にあるが、複雑な形態学的特徴を持つ」と語った。

   蒙自人の謎を解き明かすため、研究者たちが頭蓋骨の破片を用いて古代DNAの塩基配列を解析したところ、蒙自人は古人類ではなく、初期の現生人類であることが判明した。中国南方の雲南省馬鹿洞から北方の黒竜江流域まで、すでに約1万6千~1万4千年前に中国人に共通する遺伝的要素が形成されていたことも分かり、政府が進める「中華文明起源探求プロジェクト」の手掛かりも得られた。

   遺伝子モデル構築を通じて、蒙自人は肌の色が暗かった可能性も分かった。研究者は中国人の「明るい肌の色」の遺伝子の突然変異が約7500年前に南東部沿岸地域で最初に起こったのではないかと推測している。この変異により中国人の肌の色は東南アジアの人々より白くなったのだという。

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