7日、香港特区で取材に応じる李家超次期行政長官。(香港=新華社記者/金良快)
【新華社香港6月23日】中国香港特別行政区の祖国復帰25周年を前に、李家超(ジョン・リー)次期行政長官は同特区で取材に応じ、今後の施政の重点や国家安全の維持、国家発展の大局へのさらなる融合などについて考えを述べた。
▽リスク管理、経済発展、人々の生活の改善
5月8日に行われた香港の第6期行政長官選挙で、李氏は高い得票数で当選し、20日、中央政府により第6期行政長官に任命された。7月1日に就任する。
李氏は、今後5年間における香港政府の施政の重点について、経済発展と人々の生活の改善とし、「居安思危(安きにありて危うきを思う)」の心構えで、国家の主権と安全、発展利益を確保する必要があると説明。次期香港特区政府がリスク管理をしっかり行う前提の下で、経済発展を全面的に推進し、長年にわたり蓄積された問題の解決に努めていくと述べた。
香港特区の住宅問題については、全面的に速度、効率、量を向上させるとし、全体な供給時間の短縮、土地開発と住宅供給の手続きの簡素化、供給量の増加に取り組むと語った。
雇用については、教育・訓練カリキュラムの実施により若者の競争力を高めるほか、若者が視野を広げて就業範囲を拡大し、特に内地に行くチャンスをつかみ、自身の興味に合ったさらなる発展の道を選ぶよう奨励すると述べた。
李氏はさまざまな場面で、結果を目的として各種の問題を解決することを何度も強調してきた。香港特区が現在、住宅や雇用など長年にわたる問題に直面しており、発展の過程でも新たな問題にぶつかるだろうと述べ、その場合には十分な分析と科学的論証を行って要点を明確にし、解決策を考える必要があると語った。
7日、香港特区で取材に応じる李家超次期行政長官。(香港=新華社記者/金良快)
▽香港が良くなれば祖国も良くなる、祖国が良くなれば香港はさらに良くなる
李氏は、香港特区は中国の一部であり「香港が良くなれば祖国も良くなる、祖国が良くなれば香港はさらに良くなる」と説明。内地と世界を効果的に結ぶ橋や通路の役割を担う香港が、独自の優位性を最大限に生かし、国家の発展のために貢献しなければならないと語った。
李氏はさらに「第14次5カ年規画(十四五、2021~25年)」綱要で、香港特区の既存の「四つのセンター(国際金融センター、国際輸送センター、国際商業・貿易センター、国際法律・紛争解決サービスセンター)」と新たな「四つのセンター(国際航空ハブ、国際イノベーション・テクノロジーセンター、地域知的財産権貿易センター、中国・海外文化芸術交流センター)」が位置付けられたと指摘。香港が自身の優位性を十分に生かして上記「八つのセンター」の国際競争力を高め、こうした方向性に従い、国家発展の大局へのさらなる融合をより速やかに実現する必要があると語った。
李氏は香港特区の「一国二制度」の実践を振り返り、同制度が香港における国家主権・領土保全の維持と長期的な繁栄・安定の維持を目的としていたと指摘。過去25年にわたる香港での施行が成功したと語った。
李氏はさらに国家主権、安全、発展利益を守ることの必要性を特に強調し、香港基本法第23条に関する立法作業をしっかり行うことが香港特区の憲制上の責任だと説明。「法律研究を十分行い、香港の立法により、将来的に起こりうる国家安全保障上のリスクに対処できるよう確保する」と語った。
▽粤港澳大湾区(広東・香港・マカオビッグベイエリア)が香港の若者により多くのチャンスをもたらす
李氏は香港特区の若者の雇用を非常に重視しており、彼らが就業範囲を拡大し、自身の興味に合った発展の道を選ぶよう奨励していると説明。粤港澳大湾区の内地都市には発展のチャンスが数多くあり、香港の若者はこうした都市で雇用支援や多くの実習の機会を得ることができると語った。
7日、香港特区で取材に応じる李家超次期行政長官。(香港=新華社記者/金良快)
李氏はまた、彼らが香港と国の両方に誇りを感じ、自国の発展を理解するだけでなく、自国のことを海外に向けて語ることを心から願っていると強調。「若者が中国人としてのアイデンティティーや民族の誇りを呼び起こすため、国が経験した困難や苦難をより深く理解しなければならない」と述べ、そうすることで、国が成し遂げた成果を誇りに思うとの見方を示した。
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