天津市で開かれた2026中国民間企業投融資商談会の会場。(9月22日撮影、天津=新華社記者/李然)
【新華社天津10月4日】中国天津市でこのほど開かれた2026中国民間企業投融資商談会で、天津市は、新技術を実際の産業現場で活用し、検証する取り組みの代表例10件を発表した。中国では、企業や産業現場が抱える具体的な課題や需要を技術開発側に示し、新技術の実証や実用化につなげる取り組みが広がっている。
今回発表された事例は、人工知能(AI)を活用した製薬、海をまたぐ橋での群ロボットの利用、ブレイン・コンピューター・インターフェース(BCI)技術を使った診療、高速道路でのドローン管制など幅広い分野に及ぶ。実際の産業現場を新技術の検証の場として活用し、研究開発と市場ニーズを直接結び付ける狙いがある。
商談会の展示ホールでは、2台の大型エンボディドAI(身体性を持つ人工知能)ロボットが来場者の目を引いた。多数のセンサーや検出装置を備え、化学工業団地で危険を伴う反復的な巡回点検を担うことを想定している。
ロボットメーカーの七騰機器人(重慶市)は、こうした産業現場の具体的な需要に基づいて研究開発を進めている。同社のエコシステム協同・イノベーションセンター責任者の柯欽磷(か・きんりん)氏によると、多くの化学工業団地では危険源を常時点検する必要がある。同社はこうした用途を念頭に、危険源の識別や計器データの読み取りなどの機能を開発し、実際の生産現場により適した製品作りを進めている。
七騰機器人は現在、中国石油天然気集団、中国石油化工集団、ドイツ化学大手BASFなどと協力しており、こうした巡回点検ロボットは、単なる技術展示の段階を越え、エネルギー・化学工業の現場で実際に使われ始めている。
南開大学現代管理研究所(天津市)の牛建波(ぎゅう・けんは)副所長は、新技術を実際に活用する機会を広げることで、民間企業は実際のニーズに即して技術を検証し、製品を改良できると説明する。イノベーション成果を市場化する際の試行錯誤のコストを抑え、概念実証から大規模な実用化への移行を速めることにもつながるという。
牛氏はまた、中国ではこうした技術活用の機会の提供や企業とのマッチング、事業環境の整備が進められており、民間企業に具体的な事業機会をもたらすとともに、技術革新と発展の余地を広げているとの見方を示した。(記者/宋瑞、馬博文)