
江蘇省蘇州市の独墅(どくしょ)湖でウオータースポーツを体験する観光客。(8月23日撮影、蘇州=新華社配信)
【新華社南京9月10日】中国江蘇省南京市の金牛湖や無錫市の蠡(れい)湖、北京の亮馬河などでは夕暮れ時になると、パドルボードやカヤック、カヌーなどが水面に点在する様子が見られる。人々がゆったりとパドルを操って波間を進むと、水面に映り込んだ岸辺のネオンがゆらめく。特にパドルボードは中国で人気が急上昇しており、「親水経済」をけん引する新たな力になっている。
今年の夏は猛暑が続き、「どこで涼を取るか」が人々の切実な問題になった。健康と楽しさの両方を求める市民の間で、「暑さをしのぎつつ運動も欠かさない」というスタイルがいつしか新たなトレンドとなり、パドルボードなどのウオータースポーツに挑戦する人が増えている。

江蘇省無錫市の蠡湖でパドルボードを楽しむ多くの市民。(8月20日撮影、無錫=新華社配信)
多くの都市の河川や湖は、「天然のクーラー」のような存在となった。江蘇省淮安市の里運河にある首湾ステーションでは、数十台のパドルボードが水面に点在している。同ステーションの責任者、呉燕(ご・えん)さんは「今年の夏休み、パドルボードを楽しむ人は1日平均100人ほどで、前年同期の5倍に増えた。山東省や北京市から来る人もいる」と語った。
蠡湖水上スポーツ拠点では、夏季に合わせて1人99元(1元=23円)のパドルボードや158元の親子プランを導入し、パドルボードのレンタルが大人気となった。同拠点では1日の利用者が延べ300人、売上高は2万元をそれぞれ超えた。週末の客足は倍増した。

江蘇省無錫市の蠡湖畔にあるウオータースポーツ拠点で、パドルボード体験の準備をする市民。(8月20日撮影、無錫=新華社配信)
貴州省遵義市綏陽(すいよう)県では、多くの観光客が「洞窟パドルボード」を体験している。1人1回約150元で、水上をこぎながら鍾乳洞の景観を眺めるのがこの夏の新たな楽しみ方となった。
中国の動画投稿アプリ「抖音(ドウイン)」の電子商取引(EC)プラットフォームのデータによると、7月1日から19日までの「パドルボード」の1日平均検索数は前期比31%増加、直近4カ月間のパドルボードの販売数は前年同期比で約3倍に急増した。

江蘇省無錫市の蠡湖で水面を彩るたくさんのパドルボード。(8月20日撮影、無錫=新華社配信)
産業側も同様に活況を呈している。山東省威海市のではウオータースポーツ用品製造業界では受注が急増し、原材料の研究開発から金型設計、最終組み立て、海外販売まで完全な産業チェーンが形成されている。
スポーツイベント運営やウオータースポーツ拠点の運営などを手がける江蘇省常州市の企業、中賽(常州)スポーツ発展の沈煒(しん・い)総経理は、「私たちはパドルボードを自然の風景、職場の親睦会、探究学習と組み合わせ、美しい農村の発展をけん引している」と語る。同社は常州市の農村部に3カ所のパドルボードスポーツ拠点を整備し、大人数用パドルボードでハス池を進む「パドルボード観光トロッコ」というご当地プロジェクトを立ち上げ、農村での新たな楽しみ方を提案している。(記者/何磊静)