東アジアの家畜牛に複数の起源 吉林大が古DNAで解明

東アジアの家畜牛に複数の起源 吉林大が古DNAで解明

新華社 | 2026-09-03 12:11:16

吉林大の生物考古学実験室で、講義を受ける学生たち。(長春=新華社配信)

 【新華社長春9月3日】中国吉林省長春市の吉林大学生物考古実験室の蔡大偉(さい・だいい)教授率いる研究チームが、新たなアプローチによって東アジアの家畜牛の起源と移動経路を示す遺伝子地図を作成した。研究成果をまとめた論文は昨年末、科学誌サイエンスに掲載された。

 蔡氏によると、研究チームは全国数十カ所の遺跡で採取した古代ウシ科のサンプル166点を整理。東アジアの家畜牛は単一の起源でなく、度重なる外来種の流入と在来集団との交配によって形成されたことを明らかにした。5千年前の新石器時代後期には既に普通牛が黄河流域に伝わり、現地の原牛との遺伝子交流によって際立った地域的特徴を持つ黄河流域の初期家畜牛の集団が徐々に形成されていったという。

 蔡氏は「これまでの考古学は、器物や作物など文化的要素を通じて交流の問題を論じ、単方向の流入や拡散として理解することが多く、人々の移動や外来種、外来技術と現地の生態系・社会システムとの長期的な相互作用にあまり注目しなかった。古代DNA研究は、連続的で動的な生物学的証拠の連鎖をもたらした」と述べた。

 今回の研究は、吉林大学が長年推進してきた考古科学と学際研究を象徴する事例となった。

 吉林大学の考古学科は豊かな学術的蓄積があり、早くから野外考古学や辺境考古学などの研究分野を確立してきた。1998年には古代DNA実験室を設立し、中国の大学で早い時期に古代DNA研究を導入した研究拠点の一つとなった。生物考古実験室は既に学際的研究体制を構築し、考古学や遺伝学、コンピューター科学などの研究者が共同で研究を進めている。多くの国の研究機関とも協力し、研究成果は国際的に注目を集めている。(記者/邵美琦)

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