
オープン当日の「看見閩寧・戯劇村落」。(7月1日撮影、銀川=新華社配信)
【新華社銀川8月25日】中国寧夏回族自治区銀川市の閩寧鎮で、貧困地域からの移住と地域発展の歩みを題材にした演劇施設が人気を集めている。7月1日に開業した「看見閩寧(びんねい)・戯劇村落」には最初の1カ月で延べ6万人が訪れ、売上高は850万元(1元=約24円)に上った。
閩寧鎮は、寧夏南部の西海固地区から移住した人々の新たな生活拠点として整備された町の一つ。西海固は乾燥した山間部にあり、生活環境の厳しさから大規模な移住が進められてきた。閩寧鎮では福建省と寧夏の協力の下、インフラ整備や産業振興が進み、2025年の住民1人当たり可処分所得は2万元を超え、1997年の移住当初の約40倍となった。

演劇村で演じられている野外劇「黄土・窯」。(銀川=新華社配信)
「演劇村」では、この30年間の変化を題材に、屋内外で計36演目を上演している。プロの俳優だけでなく、実際に西海固から移住してきた住民も出演する。
野外劇に出演する劉艶琴(りゅう・えんきん)さん(54)もその一人。96年に政府の移住計画で固原市西吉県から閩寧鎮に移り住んだ。「私たちが演じているのは、自分たちが実際に経験した暮らしだ」と話す。現在は集合住宅に住み、3人の子どもたちはいずれも仕事に就いている。
公演には合わせて約300人が出演し、西海固地区から閩寧鎮に移住した30人も参加している。総監督の劉正(りゅう・せい)さんは、住民について「演技をする必要はない。過去の暮らしをありのまま見せてくれればいい」と語る。

演劇村で演じられている野外劇「黄土・窯」。(銀川=新華社配信)
施設の開業は、手工芸や観光案内、飲食などの仕事を生み、地元住民の雇用にもつながっている。周辺の飲食店や民宿、土産物屋への来客も増えた。
劉正さんは、商業的成功よりも大切なのは当時の記憶を残すことだと話す。「あの世代が経験した全てを再現することはできない。現実は舞台上のどのシーンよりはるかに過酷だった。それでも、この物語を通じて今の暮らしをより大切に感じてもらえれば、それだけの価値がある」(記者/艾福梅、馬思嘉)

演劇村で野外劇を鑑賞する来場者。(銀川=新華社配信)