
新疆ウイグル自治区のサーモン養殖拠点で、水揚げ直後の魚を手にする従業員。(資料写真、ウルムチ=新華社配信)
【新華社ウルムチ7月3日】中国新疆ウイグル自治区イリ・カザフ自治州はユーラシア大陸で最も海から遠い場所だが、この地にある天山山脈の麓では実は肉質の良いサーモンが育てられている。ウルムチ市で6月29日まで5日間開催された第9回中国・ユーラシア博覧会に、天山山脈の雪解け水で育ったサーモンが出展された。魅了されたタイのバイヤー、ナンタワット・サマコムさんは「海で育ったサーモンと遜色ない食感で、独特の新鮮さえある」と評価、タイ市場への導入を検討していると述べた。
ウルムチ市の西700キロ余りに位置するイリ・カザフ自治州尼勒克(ニルカ)県は、同自治区有数のサーモン産地となっている。海はないが氷河の雪解け水があり、高い透明度と豊富な酸素、年間8~13度の冷涼な水温という条件が、冷水魚の成長と繁殖に適した環境を形成している。

6月26日、新疆ウイグル自治区尼勒克(ニルカ)県にある新疆天蘊有機農業の吉林台ダム養殖エリア。(ウルムチ=新華社配信)
サーモン養殖を手がける新疆天蘊有機農業は2014年、2億5千万元(1元=約24円)を投じ、同州を流れるカシュ川の中下流域で養殖事業を開始。イリ河谷流域の冷水資源を活用し、稚魚のふ化から養殖、加工、輸出を一体化した冷水魚産業チェーンを構築した。
同社董事兼副総経理の姚丁香(よう・ていこう)さんは、今年のサーモン生産量は8千トンに達する見込みで、うち30%が英国、日本、シンガポールなどへ輸出されると語った。

サーモン養殖企業、新疆天蘊有機農業の養殖拠点。(5月29日撮影、ウルムチ=新華社配信)
中国有数の高温・乾燥地域のトルファン市は「火の州」と呼ばれる。水産企業の新疆賽湖漁業科技開発は広漠としたゴビ(乾燥地帯)に大草湖養殖場を建設し、年間生産量600トン、生産額3千万元の「ゴビ漁場」を築いている。
同養殖場の浮光斌(ふ・こうひん)副場長は「山からの冷泉水を活用した、独自の陸上流水養殖モデルを導入している」と説明。これは水温調整や水質浄化にかかる高いコストを抑えるとともに、養殖後の窒素やリンなどの養分を含んだ排水を周辺のブドウ畑で利用することで、施肥と節水を両立するクローズドループ(閉鎖型循環)システムを実現している。

新疆賽湖漁業科技開発の大草湖養殖場でサーモンを捕獲する従業員。(資料写真、ウルムチ=新華社配信)
同自治区で生産されるサーモンの9割以上は、自治区外の国内市場と海外市場向けに供給している。25年の水産物生産量は前年比7%増の20万6千トンで、うちサーモンを代表とするマス類の生産量は43・7%の大幅増となった。(記者/苟立鋒、宿伝義)