
山西省太原市で開かれた芸術展で、応県木塔の模型を見るエジプト人留学生のラムジーさん。(1月14日撮影、太原=新華社記者/解園)
【新華社太原2月13日】中国山西省太原市で開かれている芸術展の会場。懐中電灯の光を当てた壁に現れたのは神々の姿。恭しく端座する神もいれば、ひそひそと語り合う神もいる。電灯を手に持つエジプト人留学生のラムジーさんの目の前に、300近い道教の神々が最高神を拝する荘厳な行列が浮かび上がった。
ラムジーさんが見ているのは本物の壁画ではなく、古建築デジタル芸術展の作品だ。元になった壁画は700年近く前に描かれた「朝元図」で、同省運城市の永楽宮に保存されている。

山西省太原市で開かれた芸術展で、応県木塔の模型を見るエジプト人留学生のラムジーさん。(1月14日撮影、太原=新華社記者/解園)
芸術展は、古典小説「西遊記」を題材にした中国発のアクションRPG「黒神話:悟空」をテーマに、懸空寺や小西天、雲岡石窟など山西省の古建築をプロジェクションマッピングや3Dプリントなどの技術で再現している。
中国が長年取り組んできた文化財のデジタル保護事業により、文化財は博物館に収蔵されるだけでなく、より魅力的な方法で人々に公開されるようになった。中国はこの20年、多くの政策を打ち出し、文化財部門が3Dレーザースキャンや専門ソフトウェアを活用し古建築や壁画、青銅器などをデジタル保存するのを後押ししてきた。

山西省晋中市平遥県の古建築内で、デジタルスキャンを行う技術者の賈治さん(右)。(2025年8月19日撮影、太原=新華社配信)
大学を出て文化財保護の仕事に就いたデジタルスキャン技術者の賈治(か・ち)さんは、中国の文化財保護がアナログからデジタル化へ変わる過程を経験してきた。
「現代の科学技術は文化財保護に革命的な進歩をもたらした」。賈さんは、デジタル技術は遠距離や非接触で古建築の3次元情報を捉えることができ、データの精度や完全性も従来の手法をはるかに上回ると説明。これらのデータは古建築の修復に正確な科学的根拠をもたらすだけでなく、半永久的なデジタルアーカイブも構築できると述べた。

山西省晋中市平遥県の古建築内で、文化財をデジタルスキャンする技術者。(2025年8月19日撮影、太原=新華社配信)
賈さんのチームはこれまでに350カ所以上の不動文化財をデジタル化。古建築1500棟近く、彩色塑像1200体余り、壁画1万5千平方メートル近くなどが含まれる。浙江省や西蔵自治区などにも招かれ、文化財のデジタルデータを収集している。(記者/解園)