
【新華社香港1月29日】中国香港で26、27両日、「第19回アジア金融フォーラム」が開催された。第15次5カ年規画(2026~30年)が始動する年に香港で開かれた最初の大型金融フォーラムとなり、世界の政財界のリーダーらが一堂に会した。参加者は、今後5年間で香港がいかに国際金融センターとして機能と内実を高め、コモディティー(商品)貿易や国際金取引などで新たな機会を開拓するとともに、金融の力で産業発展を支えていくかについて意見を交わした。
フォーラムの各会場では、世界各国の政府関係者や民間投資機関の代表が行き交い、中国本土や香港の金融機関、証券会社と活発に商談を行った。投資家からは、中国が人工知能(AI)や新エネルギーなどの新興分野で達成したブレークスルーが、今後の世界経済の発展をさらに後押しするとの見解が示され、中国の金融機関と協力して双方向の投資ルートを拡大したいとの期待が寄せられた。
香港貿易発展局と英会計事務所アーンスト・アンド・ヤング(EY)が世界のビジネス・金融界のリーダーを対象に実施した調査では、回答者の78%が香港を重要なハブまたは結節点と位置付けた。香港は多くの企業にとって、地域事業を展開する上で不可欠な役割を果たしている。回答者はまた、厚みのある資本市場、堅調な新規株式公開(IPO)、オフショア人民元サービスなど多様な金融商品の提供能力、中国本土への架け橋としての役割など、香港が持つ多方面の強みを高く評価した。
世界的に地政学的リスクが高まり、貿易政策の不確実性が続くなか、金(ゴールド)は再び投資やリスクヘッジの焦点として注目を集めている。今回のフォーラムでは、香港が掲げる国際的な金取引センター構築に向けた重要な取り組みとして、特区政府財経事務・庫務局と上海黄金交易所が協力協定を締結した。
協定に基づき、双方は香港の金中央決済システムに関する高水準の協力枠組みを構築するとともに、上海黄金交易所の現物倉庫管理システムを活用し、香港および国際市場の投資家に現物金の保管サービスを提供する可能性を模索する。
特区政府財経事務・庫務局の許正宇(きょ・せいう)局長は香港の金中央決済システムについて、年内に試験運用を開始すると説明した。その上で、特区政府として香港空港管理局や金融機関と連携し、香港における金の保管能力を拡大し、3年以内に2千トン超を目指す方針を明らかにした。
香港の株式市場ではIPOが引き続き活発に行われている。昨年の資金調達額は累計2800億香港ドル(1香港ドル=約20円)を超え、世界1位となった。自動車用バッテリー大手の寧徳時代(CATL)や空調機部品メーカーの浙江三花智控、シンガポールの医薬品ベンチャー企業ミレックサス(MiRXES)など、中国内外の新興企業が香港を通じて世界の金融・産業資源と結びついている。
今年のフォーラムでは初めて「世界産業サミット」も開催され、香港が国際金融センターとして、いかに実体経済に金融の力を注ぎ込み、世界の産業変革を後押しできるかが議論された。
中国の投資銀行大手、中国国際金融(CICC)の王曙光(おう・しょこう)総裁は、中国の科学技術イノベーションや企業のグローバル展開を支える上で金融が果たす役割は大きいと指摘した。その上で、香港は「スーパーコネクター」として、中国本土のイノベーション企業に資金支援と世界の資源とのマッチングを提供し、国際的なペイシェントキャピタル(忍耐強い資本)の集積地になりつつあるとの認識を示した。